監督:ガイ・ハミルトン
音楽:ジョン・バリー
出演:ショーン・コネリー(ジェームズ・ボンド)
ジル・セント・ジョン(ティファニー・ケイス)
チャールズ・グレイ(ブロフェルド)
プッター・スミス(Mr.キッド)
ブルース・グローバー(Mr.ウィント)
ラナ・ウッド(プレンティ)
ノーマン・バートン(フェリックス)
バーナード・リー(M)
ロイス・マクスウェル(マネーペニー)
デズモンド・リュウェリン(Q)
その後、ダイヤモンドの密輸事件の調査をする任務を受けたボンド。だが、何とその事件の黒幕は、死んだはずのブロフェルドなのだった。
ブロフェルドは、ダイヤと衛星を組み合わせたレーザー衛星を開発し、それを使って、何か良く無い事を企んでいるのだった。
(感想)
一度ボンド役が変更になったのに、再びコネリーがボンド役に戻ってくることになりました。
前作『女王陛下の007』があんな終わり方だったんで、今回のオープニングアクションは、「ブロフェルドに復讐に向かうボンド」みたいな感じなってるんですが、製作側的には、あまり続編という雰囲気を出したくないみたいで、殺された妻の名前はもちろん、ボンドが何故ブロフェルドを追っているのかも語られません。さらに、演じてる俳優までも違うんで、前作との繋がりなんてほとんど無いようなものなんですよね。
あの前作のラストを見たら、「どう決着をつけるんだろう」という興味を持ってしまうんですが、ブロフェルドとの決着は前作の事件があっても無くても変わらないような、いつもの敵役同様の扱いで片付けられてしまうんです。これは、ちょっと寂しいものがありましたね。この映画単体で見れば「いつもの『007』」なんですけど、前作を見てると「何か大事なものを忘れているのではないだろうか」と思ってしまいます。
ただ、コネリーが復帰したという事で、逆に前作に欠けてたものが戻ってきたという喜びのような感覚もあったりするんです。
レーゼンビーのボンドも良かったですし、コネリーのボンドとは違った魅力というのもあったんですけど、もう、存在感が段違いなんですよね。むしろ、Mよりも格上に見えましたから。
そして、歴代ボンドの中でも、エレガントさがまた段違いで、もう、スパイと言うより、スターか何かみたいです(それはそれで問題かもしれないんですが・笑)。すぐに女に手を出すという行為を見ても、「プレイボーイ」というより、「精力絶倫男」という、一歩格上な感じがします(プレイボーイの格上の表現が“精力絶倫男”でいいのかどうかはあまり自信が無いですが・笑)。
しかも、見ていて「いったい、ボンドは何が凄くて、どこが強いんだろう(下半身以外で)」というのがよく分からないんですよね。それなのに、劇中では大活躍を見せるところに違和感が無いんです。演技とかアクションの動きとか、もう関係無い次元にいるという感じで、敵の方が勝手に倒れても「やっぱりコネリー・ボンドは強いぜ」とか思えてしまいそうです。
どんな時でも余裕しゃくしゃくみたいな態度で、どんな危機も軽くくぐり抜けてしまうという、このコネリー・ボンドのスーパーっぷりは、見てて実に爽快でしたね。ブロフェルドですら、コネリーと並んだら小物に見えてしょうがなかったです。
実のところ、ストーリー展開は何か意味が分からなかったんですが、コネリーボンドの行動を見てるだけで楽しいという感じでしたね。