007/ドクター・ノオ
<DR. NO>
62年 イギリス映画 105分

監督:テレンス・ヤング
出演:ショーン・コネリー(ジェームズ・ボンド)
   ウルスラ・アンドレス(ハニー・ライダー)
   ジョセフ・ワイズマン(ドクター・ノオ)
   バーナード・リー(M)
   ピーター・バートン(Q)
   ロイス・マクスウェル(マネーペニー)
   ジャック・ロード(フェリックス・ライター)
   アンソニー・ドーソン(デント教授)
   ジョン・キッツミューラー(クォレル)
   ジーナ・マーシャル(ミス・ターロー)
   ユーニス・ゲイソン(シルヴィア・トレンチ)

(ストーリー)
ジャマイカで、ロケットへの妨害電波事件を調査していたイギリスの情報局員とその秘書が行方不明になる事件が起き、その調査の為に諜報部きっての色男スパイ、007ことジェームズ・ボンドが派遣される。
現地に着いたボンドは、敵の刺客と戦ったり、刺客かと思ったらCIA局員だったフェリックスと仲良くなったり、敵の女スパイと寝たり、毒グモと大格闘を繰り広げたりしつつ、敵の正体がドクター・ノオという謎の中国人である事を突き止めた。
ドクター・ノオのアジトがある島に向かうボンド。そこは、海辺から水着美女が上がってきたり、ディーゼルエンジンで動くドラゴンが現れたりする愉快な島だった!

(感想)
今尚シリーズ継続中の超長寿シリーズの記念すべき第一作です。
さすがに、今見ると色々とヌルかったりもするんですけど、何しろ62年製作の映画ですからね。『ナイト・オブ・ザ・リヴィングデッド』よりも前ですよ。そして、当たるかどうかも分からないシリーズ一作目という事で予算もそんなに大きくないというのを考慮すると、今見ても、相当凄い映画なような気がしてきます。

お話が小難しくなりそうな「スパイ映画」というのを大衆向けに分かり易く描いているのも良かったんでしょうけど、何よりも、やっぱり主役の007ことジェームズ・ボンドのキャラクターですよね。この後何十年も主人公を張り続けるだけの魅力が、この第一作目からも十分に感じられました。そして、後の大スター、ショーン・コネリーを抜擢出来たのも大きかったですね。ここで微妙な人をキャスティングしてたら、あんまり人気が出なくてシリーズ化されなかったかもしれないですからね。
この映画を今見るに当たって、基本的には「当時はこれでも凄かったんだろう」みたいな事を思いながら見る事になるんですけど、この、コネリーボンドの魅力に関しては普通に今見ても凄い点ですね。
お馴染みのテーマ曲もいいですし、オープニングクレジットも、下手したら、やたらと裸のおねーちゃん押しになったこれ以降の奴よりもオシャレかもしれません。
あと、悪役の“Dr.NO”を、翻訳でカタカナ表記にする際、「ドクター・ノー」じゃなくて「ドクター・ノオ」にしたのも、何となくオシャレ感があっていいセンスだなと思いましたね。まあ、ここは原作の翻訳がそうだったからで、映画はそれをなぞっただけなのかもしれないですけど。

あと、物凄くどうでもいい話なんですが、今回のボンドガール役の女優の“ウルスラ・アンドレス”という名前を見て「ウルトラマンみたいな名前だな」とか思ってたんですけど、演じる役名が“ハニー・ライダー”とかいう、また日本の特撮ヒーローめいた名前で、一瞬「この人、変身したりしないよな」とか思ってしまいましたよ。