監督:エド・レイモンド
出演:アイス・T(マット・マーシャル)
キム・オージャ(ケリー・ヤング)
シリル・オライリー(ジョン・サイクス)
ギル・ジェラード(クイン)
グリン・ターマン(テッド・ビゲロウ管制官)
アレックス・コード(プレスコット将軍)
マーク・ハンフレイ(デービス)
リチャード・アンソニー・クレンナ(ダルトン)
クライトン・ノークロス(ガーナー)
WC(フェリス)
シャン・コンラド(クージョ)
リック・クラマー(デッドマン)
マーク・A・ヒックス(バンザイ)
マリー・エリザベス・マクグリン(グウェン・リチャーズ)
ジャック・マギー(シンプソン管制官)
一方、777便には、マット・マーシャル率いる特殊部隊(計4人)が『エグゼクティブ・デシジョン』と全く同じ方法で潜入して来るのだった。
(感想)
『エグゼクティブ・デシジョン』『乱気流タービュランス』を合わせて、アイス・Tで割った、そんな映画です。内容については、オリジナリティのかけらもない、パクリだけで作られたような映画なんですが、特殊部隊のリーダーがアイス・Tというだけで、独特の味のある映画になってましたね。ただ、クレジットはトップなんですが、登場するのが映画開始45分頃とかなり遅いんですが。
映画の前半では、犯人一味の行動や、主人公であるスチュワーデスのケリーが一人で奮闘する様が描かれます。奮闘と言っても、マッチョヒロインというキャラではないので、逃げ隠れしているだけなんですけどね。
で、そんなところに、いよいよアイス率いる特殊部隊の登場となるわけです。「ついにヒーローの登場か!」という感じで、これからさらに映画が盛り上がっていく事が予想できますね。
そして特殊部隊達は、あらすじにも書いた通り、『エグゼクティブ・デシジョン』と全く同じ方法で飛行機に乗り移ってきます。『エグゼクティブ〜』ではここで一波乱あったんですが(セガールが吹っ飛ぶとか、ジョー・モートンが動けなくなるとか)、この映画では驚くほどすんなりと潜入に成功します。
そして、当初の作戦だった「睡眠ガスを流して全員眠らせたところで、仲間の一人が機を操縦して下に降ろす」というのを、リーダーのアイスが土壇場で変更。奇襲攻撃をかける事となります。
が!なんとこの作戦が痛恨の大失敗!特殊部隊達は敵の待ち伏せにあって全滅してしまいます。ウソん(爆笑)。まだ登場して10分経ったかどうかなんですけど・・・(笑)。
これで結局、ケリーが一人でハイジャック犯と戦うハメになるという展開なのかな、と思わせておいて、実はアイスだけ生きていた事が判明します。よかったよかった。
でも、足を撃たれていて、歩くのもやっとという状態です。結局、ケリーに無線で指示を出すだけという、『エグゼクティブ〜』のジョー・モートンみたいな立場となります。
その後も、アイスは映画が進む事にどんどん弱っていき、しまいには歩くだけで「うおおっ!ぬおお!」とか呻く始末です。いやぁ、もうこの人、エンターテイメントがよく分かってます(笑)。特殊部隊がそうそうに全滅した辺りですでにレンタル料の元はとれたなとか思ってたんですが、ここまででレンタル料の倍は楽しませてもらえました(笑)。
この後も、特殊部隊達が本当に死んでたのかどうかを確かめに戻って来た敵に対して“死んだフリ”をかまし、それがバレて撃たれそうになったところをケリーに助けられるというシーンが出て来たりと、まさに独壇場状態です。
しかもラストには敵のボスと一対一で戦うシーンで華麗なガン捌きを披露と、普通に活躍するシーンも用意されてました。でも結局、最後はまた別の敵に撃たれて、死にはしないものの、いよいよてんで役に立たなくなります。
もちろん最後は大方の予想通り、パイロットが撃たれて死に、スチュワーデスが管制官の指示で飛行機を着陸させるという展開になるんですが、この間もアイスは操縦室で意識を失ったままです(でも意味無く一瞬だけ目を覚ます・笑)。ちなみに、ここでケリーに着陸の指示を出す管制官がいやに過剰な演技で笑えました(演技が下手なのではなく、そういうキャラクターだったという事なんですが)。
このように、まさにアイスの魅力が満載の映画ですが、それだけの映画というわけではありません。ケリー役のキム・オージャがとってもキュートで可愛らしいです。しかも、結局敵一味5人のうち、3人は彼女が倒してしまいます。
これが、見た目がアンジェリーナ・ジョリーとかデミ・ムーアみたいな“いかにも”な女優じゃないところがイイんですよね。ちょうど『ダイハード』がシュワやスタローンではなく、ブルース・ウィリスでちょうどいい感じだったのと同じような感覚でしょうか。
でも結局、撃った銃は外さないわ、飛行機は驚くほどキレイに着陸させるわの超人的行動をしてるんですけどね(笑)。