監督:トニー・スコット
製作:ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
出演:エディ・マーフィ(アクセル・フォーリー)
ジャッジ・ラインホールド(ビリー・ローズウッド)
ジョン・アシュトン(ジョン・タガート)
ブリジット・ニールセン(カーラ)
ユルゲン・プロフノウ(マクスウェル・デント)
ロニー・コックス(アンドリュー・ボゴミル)
アレン・ガーフィールド(ハロルド・ラッツ)
ディーン・ストックウェル(チャールズ・ケイン)
ギルバート・R・ヒル(ダグラス・トッド)
(感想)
もう、何て面白い映画なんでしょう、これ。何がいいって、ストーリーから俳優の演技、登場キャラの設定、音楽、監督の演出、もう全部いいです。私の中では、この『2』がシリーズ中、一番ですね。
エディの全盛期の映画という事で、前作以上にエディメインのシーンが多いような気がするんですが、まあ、それも全部面白いシーンばっかりだからOKです。
ほんと、エディの話芸は凄いですね。それに、膨大な量のセリフを一気に喋ったりするので、もう字数制限のある字幕スーパーでは会話の内容がほとんど端折られてしまってますからね。
そのせいか、この映画は吹き替えで見た方がより楽しめるような気がします。でも、そうなるとエディ本人の喋りが聞けなくなるので、難しいところです(それにしても、DVDには吹き替え版を入れてほしかった・・・)。
エディ演じるアクセルが、どこか建物に入ったり人から話を聞こうとするたびに、怪しげなウソ話をでっち上げ始めるんですが、これなんて、どれもエディが演じないと「うそ臭いだけでつまらない」になりかねないような内容の事を言ってるんですよね。
この辺の“ヨタ話”は前作の方がよく練られてたような気もしますが、今回は「そんな細かい事は気にしないで突っ走ろう」みたいな精神が全篇に溢れてるから、全然気にならないです。
前作から引き続き登場のビバリーヒルズ警察の二人、ローズウッドとタガートは、前半こそエディにほとんど見せ場を取られるかのように出番が無かったですが、中盤の“ローズウッドの暴走”からバランスが変わってきましたね。
もはやこの二人、“ボケのローズウッド、ツッコミのタガート”みたいな感じになってましたからね。特に、ローズウッドのあまりの暴走っぷりは、アクセルの見せ場を奪うぐらいの勢いでした。
クライマックスの銃撃戦では、ついに“2丁拳銃”ならぬ“2丁ショットガン”を披露してましたし(もちろん、ロケットランチャーをぶっ放すところも最高です・笑)。
また、中盤で出て来るローズウッドの家に、『ランボー2』と『コブラ』のポスターが貼ってあるところもイカしてます。ローズウッドがあんなになったのは、スタローンに憧れたからなのか(笑)。
これは、この映画の敵役に、元スタローン夫人で『コブラ』にも出演してる、ブリジット・ニールセンが扮してる所に関連があったりするんでしょうかね。
ストーリーの軸となる事件の捜査ですが、デタラメではあるものの、ちゃんと捜査をしてるところが、この手の映画としては珍しいような気がしますね。
他の刑事アクション映画、例えば『リーサル・ウェポン』シリーズとかは、“アクションシーンを見てたらいつのまにか事件が解決の方向に向かっていた”という感じなのですが、この映画では、一つの証拠から順々に犯人へ繋がる手がかりを見つけていってるように見えるんです(ただ、その手がかりの見つけ方がデタラメなんですが・笑)。
これは、映画のメインがアクション描写ではなく、アクセルの型破りな捜査の方にあるから、そう感じられるんでしょうね。
全体的に、一歩間違うと、出演者達の悪ふざけに終始しただけに見えかねない内容のところを、監督のトニー・スコットはほんとよくまとめあげました。さすが娯楽映画の天才です。
とにかく、“失速するシーン”というのが一ヶ所も無いですよね。どの場面でも、必ずどこかしら見せ場があるという感じで。悪役側の描写が必要最低限なところも、映画のテンポが崩れなくてとってもいいです。