監督・製作総指揮・脚本:チャールズ・ロバート・カーナー
出演:ディーン・ケイン(コーネリアス・モーガン)
エリック・ロバーツ(ジミー・スカルゼッティ)
エリカ・エレニアック(キャット・モーガン)
ロマン・ポドーラ(リッチー・ブリゼンスキー)
リチャード・ヤーウッド(キッド・ブラスト)
バーナード・ブラウン(ウェイン)
サンティノ・ブーダ(シム)
アレクス・パウノビック(ペトロビッチ)
ジャック・ウォレス(サンタ)
(感想)
「クリスマスの夜」「武装した物騒な連中と一人の刑事」「限定された舞台」といった『ダイハード』なキーワードの踊るテレビ用アクション映画です。
ですが、その舞台が“ショッピングモール”というのが個人的にかなりの高ポイントですね。『ゾンビ』以来、映画でショッピングセンターが事件の舞台として出て来ると妙に燃えてきます。
主人公の熱血刑事を演じるのは、見るからに熱血漢な雰囲気のディーン・ケインです。B級映画界ではお馴染みといっていい人物ですね。
そのディーン演じるモーガン警部補は、美人で巨乳の奥さんと子供達に囲まれた幸せな私生活を送っているんですが、経済面では少々問題があるようです(でも、私の5倍ぐらい裕福そうですけど・笑)。そして、凶悪犯との銃撃戦の最中、誤って偉い人を撃ってしまった為、訴訟を起こされて現在停職中です。
対する強盗団のリーダーは、モーガンにかつて何度か逮捕された事のある泥棒ジミーで、演じるのはあのエリック・ロバーツです。これはまた、何とも豪勢な組み合わせですね。
こちらは、いつもならこんな大それた強盗作戦をするような奴ではなかったようなんですが、あるヒューマンな理由によりどうしても大金が必要となり、この強盗計画を実行するに至ったようです。
そして、押し入ったショッピングモールでは、モーガンの妻キャットが宝石店の従業員として働いています。で、モーガンはキャットに会いに来た為に、この事件に巻き込まれる事となったわけですね。ちなみに、この奥さんが「なんだかいやに巨乳だな」とか思ったら、『沈黙の戦艦』のミス7月だったんですね。いやぁ、気付きませんでした。同年に出演した『シェイクダウン』を前に見てるのに(笑)。
それにしても、主要キャストに3人も「この手の映画でよく見る人」が出てるんですね。さすが、時期がクリスマスの映画だけあってキャスティングも豪華絢爛です。
そんなこんなでおっ始まる、ショッピングモールを舞台としたダイハードアクションですが、主人公が複数の敵を相手に銃撃戦をする、という展開にはならずに、敵一人一人を順番に相手していく事となります。
その敵さん達もそれぞれ個性豊かな連中で、人種も違ければ、持ってる武器もそれぞれ違います。そして、敵一人との戦いには結構な時間が掛けられ、ショッピングモール内のあらゆる場所を舞台に使ってアクションが行われます。その際、同じ場所では二度とアクションが出ないという凝りよう。見ていてお腹いっぱいになるぐらいのアクションてんこ盛り状態ですね。
さらに、主人公は現在停職中という事で、武器が足首に差している予備の小型拳銃だけという状況からのスタートとなります。なので、途中で敵や店から武器を頂戴したりしながら戦って行かなければなりません。これにより、「どうやって敵を倒すのか」という面にも面白さの感じられるアクションになってましたね。
そして、主人公が頑張って敵と戦ってる合間には、人質として閉じ込められてる人達が怯えながら助けがくるの待つ、というシーンが挟まれるので、アクションシーンがより燃えて感じられる事となります。
ただ、一つ腑に落ちない点がありまして・・・・。この映画での敵の強盗計画には、どうも「人質を殺す」というプランは入ってないくさいんですよね。もしモーガンがこの事件に関わらなかったとしたら、誰も死なずに、店も壊れる事なく一日が終わったのではないかと思うんですよ(笑)。まあ、金は持って行かれる事となりますけどね。
その辺を考えれば、モーガンが、敵のリーダーがジミーであるというのを気付いた時点で事件に関わるのを辞めていれば全てすっきりうまく行ったような気がしてならないんですよね(誰が犯人か分かってれば後で指名手配して逮捕出来るでしょうし)。
アクションシーンの最中、店が壊されたり、敵が撃ち殺されたりするのを見る度に、「これは避けられた事態なんじゃないんだろうか」というのが気になってしまいました。
せめて、敵が人質を殺す予定を立てている冷酷な殺人集団だ、という設定になっていればこういう事を思う事も無かったんですけどね。