監督・製作・音楽:ドン・ヒューレット
出演:チャック・ノリス(J.D.ドーズ)
ジョージ・マードック(トリミングス判事)
テリー・オコナー(アーリーン)
ジョン・ディフェスコ(アーニー)
マイケル・オーガンスタイン(ビリー・ドーズ)
ドン・ジェントリー(ストレード)
(感想)
チャック・ノリス演じる主人公のJ.D.、職業がトラック野郎で、実は腕相撲のチャンピオンでもあるという設定です。何とも『オーバー・ザ・トップ』な設定ですが、この映画の製作は『オーバー〜』よりも約10年早いので、パクリではありません。ただ、この設定は序盤のチャックのデモンストレーション・シーンで使われるだけで、本筋には全くからみません(笑)。
本筋は、行方不明になった弟を探しにある町に訪れたものの、その町はとんでもない町だった!というものです。これがまた、町人全員が犯罪者みたいな連中という困った町です。見かけは普通のテキサス人なんですが、頭の中は「悪事を働く事を屁とも思わない」というクズどもです。
町人は、ただ命令で襲ってくるだけのザコキャラですが、ボスの判事がほんと、見ててヘドが出るぐらいのムカつく奴なんです。困った事に、こいつはラストでチャックにノされたり、撃ち殺されたりという事が無いんです。観客の溜飲は、部下の保安官がチャックにボコられるシーンで下げられる事となります。でも、出来れば、悪の元凶の判事には劇中で酷い罰を与えて欲しかったんですけどね。
ラストはJ.D.の仲間のトラック軍団が、町を文字通り壊滅させて終わりになるので、判事的には精神的大ダメージなんでしょうが、それで悔しがる様すら映してくれません。なので、見終わった後はどうもスッキリしない印象なんですよね。
ただ、中盤まではかなり面白いです。ザコ町人がわらわら襲ってくるのを、チャックが自慢の足技で次々吹っ飛ばして行くという、爽快な場面を見せてくれます。
また、ラストの悪い保安官を懲らしめるシーンは、もちろんチャックがマーシャル・アーツでボコボコにするという形になるんですが、それが全部スローモーションという、変わった演出を見せてくれます(もちろん、とどめは飛び蹴りで締めです)。
終盤、チャックが意味も無くやられて牢屋に入れられてしまい、アクションが中断になるのと、判事を懲らしめるシーンが無いというのを除くと、とってもよく出来たアクション映画です。チャックの回し蹴りも面白いように決まりまくります。
ちなみに、チャックの顔に、あのトレードマークのおヒゲが無いです。髭無しの口元は新鮮ではあるんですが、やっぱりちょっと寂しい気も(笑)。