監督:マーク・L・レスター
製作:ジョエル・シルバー/ローレンス・ゴードン
脚本:スティーブン・E・デ・スーザ
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:アーノルト・シュワルツェネッガー(ジョン・メイトリクス)
レイ・ドーン・チョン(シンディ)
ヴァーノン・ウェルズ(ベネット)
ダン・ヘダヤ(アリアス)
アリッサ・ミラノ(ジェニー)
ビル・デューク(クック)
(感想)
シュワの魅力が120%(当社比)引き出されてる傑作アクションです。
とにかく、主人公の前に立ちふさがる難関を全て筋肉で解決していく様はまさに痛快の一言ですね。各所で現実にはあり得ない超人的パワーを見せて行くシュワですが、見ていて「現実味が無い」どころか、「筋肉があればこんな事も出来るのか!」と思ってしまうような、映像的な説得力に満ちています。これはもう、シュワだから許される演出ですよね。
僅か90分の上映時間の中に愉快な見せ場がたっぷり詰まってる映画ですが、一番の見所はやっぱり、ラスト、島に渡ってからの一大ドンパチでしょうね。群がる敵兵士を完全武装のシュワが片っ端から葬っていくという、まるでアクションゲームをそのまま実写映像にしたかのような壮絶さ。
まず、島に渡る際に、何故かパンツ一枚になるという、筋肉自慢のシーンがしっかり入ってるのも微笑ましいです。その後、短いカットで次々と武器を装備していき、ついに完成したフルアーマーシュワの姿をバン!と映してくるシーンはアクション映画史に残る名シーンの一つだと思います。
そして、ついにやりすぎなぐらいのシュワ大暴れシーンが展開されるわけですが、やっぱりシュワにはやりすぎなぐらい派手なアクションの方が似合います。と言うか、やり過ぎ派手アクションが世界一似合う男でしょう、彼は。
ほんと、いい意味でゲーム感覚なシーンです。敵も結構近くでマシンガンをバリバリ撃って来てるんですけど、シュワに掠りもしません。一方シュワの攻撃は面白いように敵にヒットし、次から次に湧いてくるザコ兵共がバッタバタと死んでいきます。そして、持ってた武器の弾が切れれば、別の武器に持ち替えるという、『マトリックス』でもやってた演出が出ますが、武器のバリエーションはこちらが圧倒的に多いです。
とにかく、「こちらがやられるかもしれない」というハラハラ感を出す事を完全に放棄し、敵を一層していく爽快感のみを追求した、かなり潔いアクションシーンになってるんですよね。
で、一層される側である敵兵士ですが、撃たれたり手榴弾で吹っ飛ぶ奴がたまにアップになるんですけど、どうも似てる顔が多い気がします。もしかしたら同じスタントマンが何回もやられ役をやってたりするんだろうか。でも、この大量殺戮シーンに悲惨さを出さない為に敢えて分かるようにやってる可能性もありそうですよね。
派手な雑魚掃討戦の後には、敵ボスとの一対一の格闘シーンまで出てきます。先程までとは打って変わったパワーとパワーのぶつかり合いという感じのバトルで、見てる方も力が入ってしまいます。
最初、敵ボスは銃を持ってるんですが、シュワに挑発されてわざわざ銃を捨ててナイフでの接近戦となるんですが、その際の挑発の乗りっぷりが、何か凄いです。挑発に乗るのはいいけど、そこまで乗らなくてもいいだろうみたいな(笑)。
この、挑発シーンもそうですが、ところどころ、笑いを誘うシーンが入ってるのもいいですね。シュワも割とギャグなんかを言ったりして、これが後の『ツインズ』出演の伏線となるのかな、なんて考えてしまいます。
この映画のプロデューサーは、後に『リーサルウェポン』『ダイハード』を作る、ジョエル・シルバーで、どちらも、その主演俳優にとって最高のアクション作になるという、まさにアクション映画作りの天才です(ただ、中にはハズレ映画もありますが・・・)。
忘れちゃいけない、音楽は、後に『タイタニック』でオスカーを取る、巨匠ジェームズ・ホーナーがやってます。この映画でもナイスなスコアを聞かせてくれます。
ところで、この映画にビル・パクストンが出てるって、知ってましたか?ちゃんとセリフもあります。もし「知らなかった」という人がいましたら、次に見るときはその辺にも注意して見てみてください。