監督:サイモン・ウエスト
製作:ジェリー・ブラッカイマー
音楽:マーク・マンシーナ
トレバー・ラビン
出演:ニコラス・ケイジ(キャメロン・ポー)
ジョン・マルコビッチ(サイラス・グリサム)
ジョン・キューザック(ビンス・ラーキン)
ビング・レイムズ(ダイヤモンド・ドッグ)
モニカ・ポッター(トリシア・ポー)
ミケルティ・ウィリアムソン(ベビー・オー)
レイチェル・ティコティン(ビショップ護送監)
コーム・ミーニー(ダンカン・マロイ)
ダニー・トレホ(ジョニー23)
スティーブ・ブシェーミ(ガーランド・グリーン)
M・C・ゲイニー(スワンプシング)
(感想)
まさにアクション映画ファンの至福!後半、あらゆるものが意味も無く爆発炎上!とにかく、やれることは全てやった的な大アクション大会、それが『コンエアー』だ!
主人公キャメロン・ポーを演じるのは、すっかりアクションヒーローが板についたニコラス・ケイジ。もともと体を鍛えるのが好きらしく、体もマッチョモリモリで大変よろしいです。しかもなぜかロン毛。むさ苦しいことこの上なしです。
そんな主人公以上にむさ苦しいのが、舞台となる護送機(コンエアー)内部。いかつい囚人共が狭い中ひしめき合うという、キレイのキの字も無いような映像。そんな映像が前半約1時間続いたかと思うと、後半1時間では火柱のオンパレード!いったい、どんな映画やねん!(笑)
そんな中、一人で爽やかなのが、もう一人の主役と呼べる、連邦捜査官ビンス・ラーキン役のジョン・キューザックです。しかしこの男、見かけは爽やかなのに、実は主役のキャメロン以上に熱い奴だったりします。携帯電話に向かって怒鳴り散らすは、車をかっ飛ばすは(しかも他人の)、戦場と化した飛行場を縦横無尽に走り回るはの大活躍。しかもクレーンを操作して飛行機一機破壊したりと、実はこの映画中、一番の行動派だったりします。
主要な登場キャラ全てがおよそアクション映画向きな奴らという、この素晴らしさ。
そんな連中が大挙して出てくるこの映画、ラストはどう収拾をつけるのかと言えば、護送機をラスベガスに突っ込ませて大量の火柱を上げさせるという思い切りの良すぎな締め。かと思ったら、まだまだそれだけでは終わらず、カーチェイスシーンが突如開始されます(しかも消防車で)。
製作側、もう、やるべき事、以上の事をやるつもりですね。劇中の消防車同様、スタッフ陣もまさに大暴走状態。
そんなアクション大会の中、唯一アクションの似合わな無そうな男がこの映画に出演してます。
そう、異常殺人鬼ガーランド・グリーン役のスティーブ・ブシェーミです。周りでマッチョ軍団が火柱を派手にあげてる中、一人で別行動をとるブシェーミがおかしくてたまりません。しかも異常殺人鬼なのに、劇中では何も悪いことをしないという。それどころか、一人で遊んでた少女の遊び相手になってあげたりしますからね。護送機が銃撃されてる時も平然と座ってたり、墜落する際に、周りでマッチョな囚人達がビビってる中、一人でやはり平然と歌を歌ってたりと、まさに独自の世界を築いています。
このガーランド・グリーン、演じるブシェーミの魅力と相まって、とっても素晴らしいキャラクターになっていましたね。
エンドクレジットに入る前のキャストロールが、黒の背景に白い文字を浮かび上がらせるといういつもの手法は使わず、劇中使われたシーンを切り貼りして人物紹介風(しかもなぜかみんな笑顔のシーン)にするというところをとっても、とにかく、観客を楽しませたいという思いが感じられます。
まさに娯楽アクション映画魂の漲る、最良の映画です。
ちなこに、何故かエンドクレジットの音楽のアレンジが、ビデオの(DVDも)字幕版と吹き替え版で違うようなんです。劇場公開版と同じアレンジがされてるのが吹き替え版の方で、こっちの方が曲が激しくて、一方、字幕版の方はおとなしめな曲で、しっとりした感じです。何でこんな違いが出てきたんでしょうかね?