ポセイドン
<DANGER BENEATH THE SEA>
01年 アメリカ映画(テレビ用) 88分

監督:ジョン・カサー
出演:キャスパー・ヴァン・ディーン(ミルズ・シェフィールド艦長)
   ジェラルド・マクラニー(ユージーン・ジャスティス少将)
   スチュアート・ビック(アルバート・ケナー副長)
   タミー・イズベル(クレア・ハリディ)
   ドミニク・ザンプログナ(ライアン・アルフォード)
   ジム・ソーバーン(マット・ロックウェル)
   ロン・ホワイト(ピート・ルクロア)
   ビンセント・コラッザ(エリック・ワトキンス)
   ジョエル・ゴードン(テリー・ピール)

(あらすじ)
海軍の原子力潜水艦“ランシング号”が出港した。艦長は新任のシェフィールド。若く、ちょっと前まで出世街道を突っ走っていたエリートだった。本来、艦長に就任するはずだったケナーも副長としてランシングに乗っていた。
出港から数日後、北朝鮮が核ミサイルの発射実験をするとの情報を受けた軍の上層部は、北朝鮮に一番近い位置にいたランシング号に北朝鮮に向かわせ、動向を探らせるよう命令を出す。
北朝鮮沖にやってきたランシング号だが、何と海上で核爆発が発生。強力な電磁波の影響でソナーと通信装置、予備電源が故障するという事態に陥ってしまう。しかも、中にいたクルーには今の爆発が何なのかもよく分からない。通信装置の故障で、本部との連絡もとれない。
この状況にケナー副長が、「核戦争が始まったに違いない」との拡大解釈を始め、艦長と対立するようになる。
確認の為に韓国沖に艦を向かわせたシェフィールドは、そこで甲板に出て双眼鏡での確認をする。だが、夜間で町の明かりが見えるはずのところが、ただ暗闇が広がるばかりだった。実は、近隣の国々も電磁波の影響で電力に障害が出ていたのだ。だがケナーは、「何も見えないのは町が吹っ飛んだ証拠」とまた拡大解釈を始めた。
艦内に戻った二人だが、核爆発の放射能の影響で倒れてしまう。薬によりケナーは復活するものの、シェフィールドはなかなか体のだるさや目眩が消えないでいた。
そしてついに、ケナーの反乱が始まるのだった・・・。

(感想)
『クリムゾン・タイド』を低予算で再現したような映画です。とにかく、ストーリーや展開がそっくり。違うのは、主人公側が艦長という点でしょうか。
『クリムゾン〜』では、主役のデンゼル副長と、対立するハックマン艦長、どちらの言い分も正しいかもしれないという描き方で、実際、船の外がどうなってるのかは観客にも最後まで示されませんでしたが、この映画では外の様子も呈示され、明らかに副長の方が間違っている事が示されます。ただの意見の対立というより、敵対関係みたいな感じですね。副長というよりも、やってる事はテロリストに近いです。艦を艦長から奪い取った後は、積んである核弾頭搭載のトマホークミサイル4基を発射しようとします。まさに度を過ぎた戦争屋という感じですね。

主演はキャスパー・ヴァン・ディーンで、相変わらずの鋭い眼光と体育会系的な熱い演技を披露してくれます。艦長という大役を初めて任され、任務を必死にこなそうとする若き熱血艦長役です。
また、クルーにも若手が多く配備されているという設定になっています。そんな、何とも初々しい艦が、大変な事態の渦中に置かれてしまうというわけですね。

外の様子が示されると書きましたが、上層部と言うか、作戦司令部の方に名前のあるキャラがいて、通信の途絶えたランシング号が外からどう見えているのかがここで語られるわけです。これも一応、『クリムゾン〜』には無かった要素ではありますね。

終盤、味方の潜水艦から、ミサイル発射阻止の為に攻撃を受けるシーンがあるんですが、そこで魚雷をかわす時の映像が『クリムゾン〜』からの流用じゃなかったのが意外でした。B級潜水艦映画では必ず使われるものと思っていたのに(笑)。でも、潜行&浮上シーンはどこかからか戴いて来たみたいですけどね(映像の質が違う)。

モロ二番煎じな低予算B級映画ですが(と言うか、テレビ映画か)、出来は結構いいです(二番煎じ映画の中では・笑)。最後まで一気に見せてくれます。主演のキャスパー・ヴァン・ディーンの魅力もよく出ていました。