バックラッシュ
<DANGER ZONE>
95年 アメリカ映画(TV用) 94分

監督:アラン・イーストマン
共同製作・原案:ダニー・ラーナー
共同製作:ビリー・ゼイン
音楽:ダニエル・ペルフリー
出演:ビリー・ゼイン(リック・モーガン)
   ロバート・ダウニー・Jr(ジム・スコット)
   ケリー・ヒロユキ・タガワ(チャン)
   リサ・コリンズ(キム・ウッズ)
   ロン・シルバー(デュポン)
   ラッセル・サバディエール(ナンド)

(あらすじ)
東ザンベジで鉱山技師のチーフとして働くモーガンの元に、旧友のスコットがやってきた。だがその目的は、モーガンの鉱山に有毒廃棄物を捨てる事だった。
だが、突如ゲリラが鉱山を襲撃してきて、スコットは生死不明となる。
その後モーガンは、なぜか有毒廃棄物を河に流して住民に多数の被害者を出した罪で国外退去処分とさせられてしまう。何者かにハメられたのだ。

一年後。職も名誉も失い、アル中となったモーガンの元に、東ザンビアの国防の専門家であり、大臣の相談役という男、デュポンが現われる。
有毒廃棄物の容器は全て漏れたわけではなく、いつくかは行方不明になっていると言うのだ。そして、その場所を知っているのがスコットだと言うのだ。彼はまだ生きていて、反政府ゲリラの勢力圏で生活しているらしい。
そのスコットを探し出すのに協力して欲しいという事だった。

自分をハメたのはスコットだと考えているモーガンは依頼を引き受け、パートナーとして同行する事となった、世界保健機構から派遣された汚染物質の専門家キム・ウッズ博士と共にゲリラの跋扈する危険地帯に赴くのだった。

(感想)
ビリー・ゼイン主演のアクション・アドベンチャーで、私の中でのビリー主演作中最高傑作です(助演作を含めても『タイタニック』といい勝負)。
ほんと、この映画は面白いです。驚きなのは、これがテレビ映画ってところですね。確かに一部、安っぽいセットが出る所もありますが、劇場公開しても違和感が無いぐらいB級っぽさが少ないです。
さらに、キャストが結構豪華で、主人公ビリーの友人スコットがアイアンマンになる前のロバート・ダウニー・Jr、敵役にケリー・ヒロユキ・タガワ、謎の男デュポンにロン・シルバーといった面々が揃っています。

アクションシーンも結構多くて、ビリーも銃を撃ったり格闘したりと大活躍です。しかも、常に帽子をかぶっていて、その帽子はなぜか主人公にとって大事なものだという、まるでインディ・ジョーンズみたいな面もあります。
ただ、正直、あんまりアクションはうまくない人なので、格闘の動きとか「いかにも振り付け通りに動いてる」という感が無きにしもあらずではあります。
それでも、ラストはちゃんとタガワ氏と一対一の格闘戦に挑戦してくれます。
ここは、別の場所で起こってるアクションシーンと交互に映す事で、うまく粗が出ないように撮ってたので、なかなか迫力あるシーンになってました。

この、クライマックスの場面は暴走列車を舞台としたアクションが展開され、かなり見応えがあります。もちろん最後は列車の大爆発という“爆破オチ”で締めです。いやぁ、素晴らしい。
しかも、この爆破から間一髪脱出する主人公の姿(演じるのはスタントマン)がまたカッコいいです。これぞアクション映画だ!とか思ってしまいます(ちなみに、劇中で、“爆発から間一髪で脱出”というのは2回も出てきます)。

あと、B級映画ではかなりおざなりにされてる事が多い“音楽”も、ちゃんとした、普通にカッコいい音楽が使用されてました。A級のアクションで使われてても全く違和感の無いような曲で、これも映画の高級感を高めていましたね。

アクションもいいですが、ストーリーも起伏があって面白いです。話自体が面白いというわけではなく、最後まで飽きさせずにちゃんと見せてくれるレベルのストーリーにはなってます。アクション映画のストーリーとしては申し分無しということですね(笑)。

ビリーのアクションヒーローっぷりもファンにはたまらないですし(こなせてるかどうかは別として・笑)相変わらず凄い形相で迫ってくる、タガワ氏の悪役も素晴らしい、良質のアクション映画だと思います。