監督:ヨッシー・ウェイン
製作:アヴィ・ラーナー
製作総指揮・原案:ダニー・ラーナー
出演:ブライアン・ジェネス(ライアン)
ベントレー・ミッチャム(ビンセント・ウィーバー)
マイケル・アンソニー・ロサス(サル)
ジェイミー・アンステッド(マリーナ)
ジョージ・スタンチェフ(ウィザード)
タリー・マーケル(クリスタル)
ニコライ・ソティロフ(カルロス)
イヴァイロ・ジェラスコフ(シコースキー)
バシャー・ラール(ロペス)
アタナス・スレブロフ(ジェフ)
シェリー・ヴァロッド(ジュディ)
(感想)
犯罪者集団が列車を占拠し、マッチョヒーローがそれに立ち向かうという、暴走特急物映画です。
敵の犯罪者集団は、それはまた悪い連中で、なんの良心の呵責もなく乗客を撃ち殺したりします。まさに血も涙も無しです。
テロリスト集団とかだったら、たいがいリーダーは知的なタイプだったりするわけですが、こちらはただの犯罪者集団なので、見るからに頭も悪そうです。そのせいで、「何をやらかしてくるか分からない」という怖さがあったりもしますね。もしこの列車に乗客として同乗していたと想像した際、下手したら「顔が気に入らない」みたいなどうでもいい理由で撃ち殺されるんじゃないかと思って、見ててヒヤヒヤしましたね。
そんな連中なので、計画もどこか行き当たりバッタリ的です。そんなに大人数でもないのに、意味も無く列車内を個別にウロウロしたりするので、結構隙が多いです。でも、乗客的には、「下手に行動して刺激を与えたりしたら、マシンガンを乱射して無関係な人も殺しそうなので、やっぱり動くに動けない」という状況なんでしょうねぇ。
そんな中、この犯罪者集団に仲間を殺され、恨みを持った男が乗客に紛れて乗り込んでいて、コイツが列車の屋根の上を使ったりなどしてうまく身を隠しながら、一人一人敵を葬っていってくれます。
この主人公を演じるのはブライアン・ジェネスという、B級アクションでたまに名前を見かける人です。ですが、私はこの映画で初めてこの人の姿を見たので、ジェフ・スピークマンみたいに強い人なのか、普通のマッチョなのか分かりませんでした。
で、見てみたところ、どうも後者のようでしたね(笑)。まあ、確かに弱くはないんですけど、あまり頼もしい感じもしないという。
ですが、この「絶対的に頼りになるヤツというわけじゃない」ところがこの映画を面白くしていましたね。冷酷非道な犯罪者集団に、この「一般人よりは強い」程度の男がいかにして立ち向かって行くのかにちょっとした緊張感も感じられました。
そして、敵さん達が乗客達を脅したり殺したりする場面が出てきて、乗客もただ怯えるばかりという状況が続いているので、思わず力を入れて応援しながら見てしまいましたね。
中盤、敵一味が列車を止めて逃げ出そうとする場面があるんですが、ここで敵達は人質の乗客をほっぽったまま逃げ出そうとしてるんですよね。で、この隙にジェネス演じる主人公が大半の乗客を逃がす事に成功するんです。ここは、思わず「やったぜ、アニキ!」とかわけの分からない事を口走りそうになりましたねぇ。敵がアホなおかげで成功した作戦ですけど、まあ、主人公もそんなに強くない人なので、ちょうどいいバランスなんでしょう。
最後は、乗っている列車の正面から、別の貨物列車が迫って来るという、この手の映画お約束の展開が出てきます。ここで、反対から迫って来る貨物列車の運転手が「酔っ払い」だというのには参りましたね。警察が「列車を止めろ!」と無線で呼びかけてるのに、肩にかついだラジカセから大音量で音楽を流してるので聞こえないという、多分、この映画中、最大のアホがクライマックスで登場ですよ。しかも、ちゃんと後の衝突シーンで死にましたからね、コイツ(笑)。
ストーリー展開といい、ラストのお楽しみ(↑の事ね)といい、なかなか楽しめる映画でした。