監督:ボブ・ミショロウスキー
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム(ジャック・クリストフ)
ローラ・エレナ・ハリング(ガリーナ・コンスタニン)
トーマス・アラーナ(メイソン・コール)
スーザン・ギブニー(マデリーン・クリストフ)
ジェシカ・ボウマン(ベイリー・クリストフ)
クリストファー・ヴァン・ヴァレンバーグ(イーサン・クリストフ)
(感想)
“『暴走特急』+『アウトブレイク』÷『ダイハード』、それが『ディレイルド』だ!”という、胡散臭そうな宣伝がされていましたが(何で全部足さないで、『ダイハード』で“割る”んだ・笑)、その内容も、こういう妙な宣伝がされるのも納得という、B級未公開映画みたいな代物でした。
この映画を劇場で見た時は、結構ショックでしたねぇ。「とうとうヴァン・ダムもこんな映画に出るようなってしまったか・・・」と哀しくなってしまいました。
ただ、未公開映画の中ではまあいい方だと思います。何と言っても、主演がヴァン・ダムですし。
ストーリーとか、脚本自体も悪くないです。良くもないですが、問題はないです(何なんだ・笑)。本筋とは関係無い、乗客の二人の男の友情話も、何か面白かったですしね。
監督の演出も、細かいカット割の多用によるスピーディな展開や、一ヶ所、意味の無い画面分割を使ってみたりと、いろいろ飽きさせないように工夫してるようです。
ただ、この編集の技が、アクションシーンではマイナスに作用してしまってるのは痛いところでした。夜のシーンが多い事もあって画面が暗く、アクションシーンで“画面内で何が起こってるか分かりづらい”という、アクション映画において致命的に近い現象を出してしまっていました。
あと、肝心のヴァン・ダムの格闘アクションも、舞台が狭い場所のせいか、回し蹴りとかはあんまり使わないんですよね。代わりに関節技みたいなのを結構使ってるようでしたが、やはり映像的にはどうしても地味になってしまいますよね。うまく見せる事が出来れば、燃えるアクションシーンになったのかもしれないですけど。
前の『ファイナル・レジェンド』では、低予算なところをヴァン・ダム自らのアクションシーンをメインに据える事で、B級ながらも、下手なA級映画よりも面白いアクション映画にする事に成功していました。それが今回は、ヴァン・ダムのアクションをあまりうまく使いこなせなかったようで、「未公開映画では良い方」程度のレベルの映画になってしまったんですね。残念です。
ちなみに、この映画のキャストの中に、クリストファー・ヴァン・ヴァレンバーグという長い名前の少年が出ているんですが、何と、ヴァン・ダムの実子なんだそうな。しかも、役柄上でもヴァン・ダムの息子役です。
こんなのに出てこられたら、「親譲りの回し蹴り」なんかを期待してしまうんですが、まさか本当にやるとは(笑)。しかも、かなりキレイに決まって、ストーリー的にも見映え的にもいいシーンとなっていました。将来、後を継がせる思惑でもあるんでしょうかね(「未公開スター」を継ぐ事にならなきゃいいんですが・笑)。