監督:シドニー・J・フューリー
製作総指揮:アヴィ・ラーナー
出演:ドルフ・ラングレン(サム・デッカー)
アレックス・カルジス(チェスター・ラム)
カタ・ドボー(グロリア・ワイロン)
コリー・セビエー(ミック・アシュトン)
クリス・コリンズ(ホギー・ホガース)
ダニエル・ハンプトン(アリシア・ロバーツ)
モー・コアホ(ジェイ・ティー・バロウ)
ダヴ・ティーフェンバック(ウィリー・ロペス)
ラリー・デイ(アール・ヘンドロフ)
ジェニファー・バクスター(マーゴ・コンロイ)
ジョセフ・スコレン(ビクター)
Mif(アレックス)
(感想)
「学校が舞台のアクション」と言えば、『野獣教師』とか『トイ・ソルジャー』シリーズを思い出します。そして、このどちらも、主演をしたのはアクションスターという肩書きの無い人達でした。そこへ今回、完全なアクション派であるドルフ・ラングレンが主演という事で、そのアクション面への期待は並ならぬものがありました。
ですが、展開されるのは、いつも通りのもっさりした動きで迫力の感じられないアクション、馬鹿な敵軍団、仕掛けた火薬をただ爆発させてるだけのようにしか見えない緊迫感の無い爆破&銃撃シーンと、アクションシーンの迫力の無さは『トイ・ソルジャー』どころか『トイズ』以下かもしれないぐらいの有様でした。
ドルフ演じる主人公は、元軍人という設定が与えられてるにも関わらず、見事なまでの活躍しないっぷりでしたね。むしろ、生徒達の方が頑張ってるぐらいでした。
生徒達が悪者軍団相手に奮闘してる間、本来奮闘しなきゃならないドルフ先生は何をやってるのかと言うと、敵に撃たれた傷を熱した棒で消毒していたり、施錠されたドアの鎖を焼き切っていたり、せっかく外に出られたと思ったのに通報をしくじったりと、「結局、何がしたいんだ」と思うぐらいの要領の無さ(笑)。
どうしてこう、ドルフが演じるヒーローはどこかヌケてる事が多いんでしょうかね。もう、ドルフがいるより、コリー・ハイムがいた方がもっと迫力のある映画になったんじゃないかと思ってしまうぐらいです。誰か、ドルフにまともなヒーロー役をあてがってくれるプロデューサーはいないんでしょうか。
と、アクションは散々でしたが、序盤で見られた「教師、ドルフ」は結構ハマってたような感じでした。むしろ、アクション抜きの学園ドラマとして製作した方がドルフの魅力が出たんじゃないんだろうか(そんな映画誰も見ないか・笑)。
ところで、ここ数年、セガールやヴァン・ダムといったアクションスターが、未公開アクションスターに降格してきました。映画の内容も、製作費の減退から、かつての迫力が失われたB級映画となってしまいました。
ですが、この『ディテンション』に主演する我らがドルフ・ラングレンは、まさにこの分野の大先輩。セガールやヴァン・ダムが未公開スターに墜ちる瀬戸際で頑張ってた時期、すでに未公開スターとしてB級主演作を連発していました。
そんなドルフ先輩の最新作は、もはやB級ど真ん中どころか、C級に片足を突っ込んでいるような、ある意味非常に潔い出来のアクションとなっていたわけです。もう、昨日今日未公開スターに落ちた人達とは年季が違うんだという貫禄すら感じられるぐらいでしたね。
要するに何がいいたいのかと言うと、上でこの映画に満足できなかった点をグダグダと書き連ねていましたが、結局のところ、私の見方に問題があったんじゃないのかと思うわけですよ。いったい、『ドルフ・ラングレン in ディテンション』というタイトルの映画に何を期待していたんだと。それこそ、ラーメン屋でラーメンを注文しておきながら、「うどんの味と違う!」と文句を言ってるようなものじゃないのかと。
と言う訳で、次にドルフ主演作を見る際はちゃんと映画の本質を見極めた、まともな感想が書けるように頑張りたいと思います。