ダイヤモンド・クエスト/カリマンタンの魔神
<LOUIS L'AMOUR'S THE DIAMOND OF JERU/THE DIAMOND OF JERU>
01年 アメリカ・オーストラリア合作(TV映画) 89分

監督:イアン・バリー
   ディック・ローリイ
出演:ビリー・ゼイン(マイク・カーデック)
   キース・キャダイン(ジョン・ロックラン)
   パリス・ジェファーソン(ヘレン・ロックラン)
   ジャキオン・ライン(ラジ)

(あらすじ)
1950年代。ボルネオ島で油田の発掘の仕事をしていたマイク・カーデックは、乱闘に巻き込まれた現地人の友人ラジを助けようとするが、仕事場のボスに喧嘩両成敗とばかりに、乱闘の相手もろともクビにされてしまう。
仕事が無くなり、収入も無くなってしまったマイクに、ジャングルのガイドの仕事が舞い込んできた。ガイドを頼んだのは、核科学者のジョン・ロックランと妻のへレンの二人。この近辺のジャングルでダイヤが採れると聞いてきたらしいのだ。
ガイドの仕事を引き受けたマイクだが、原爆の発明者でエゴの塊という困った履歴と性格の持ち主のジョンに、ただへレンと一緒に話をしていただけで浮気を疑われ、ガイドを断られてしまった。
そしてジョンは、大きなダイヤを持っている怪しい男の口車に乗り、そいつのガイドでジャングルへと出発してしまった。
だが、その怪しい男達が、ジャングルの奥地に棲む首刈り族の長、ジュルーの配下の者の可能性があることから、マイクは二人の救出の為に、ラジと共に後を追ってジャングルに入るのだった。

(感想)
オープニングのタイトルの文字からして『インディ・ジョーンズ』を意識している、ニセ・インディ物の映画の一つです。しかし、この手の映画の例に漏れず、『インディ〜』のような興奮のアクション・アドベンチャーという感じの内容には出来ていませんでした。
主演は『タイタニック』のビリー・ゼイン。オープニングでは『バックラッシュ』の時よりも上達した格闘アクションも披露し、そこそこのアクションが出来る事をアピールします。でも残念な事に、後の展開でそのアクションを活かす機会が無いんですよね・・・。
どうやら、テレビ映画のようで、時間も89分と短めなんですが、見せ場のシーンが少ない展開なため、時間よりも長く感じます。まあ、それでもビリーの魅力が損なわれているわけではないので、よしとしましょう。

敵が首刈り族という、いわゆる土人なので、なんとなく『人喰族』っぽい雰囲気があります。もちろん、過度なグロシーンは無いですけどね。
終盤、敵に捕まったロックラン夫妻が、部族の村で檻に入れられるんですが、何故か中に家畜の肉やら骨やらがぶら下がっていて、ちょっと気持ち悪いです。ただ、そこに入れられている二人がそれに無反応なので、観客(テレビ映画なので視聴者か)を怖がらせるアイテムとして入れた物なのか不明です(ただのオブジェ扱い)。

ビリー・ゼイン主演作では、同じくテレビ映画のアクション・アドベンチャー、『バックラッシュ』がとてもいい出来の映画だった為、この『ダイヤモンド・クエスト』も見る前はかなり期待していたんですが、残念ながら『バックラッシュ』の方が数倍面白い出来でしたね。
まあ、あちらはロバート・ダウニー・ジュニアや、ケリー・ヒロユキ・タガワが出てたりとキャストも豪華だったんで、予算も上なら、スタッフもこの映画より優秀な人が揃ってたんでしょう。
まあ、何にしてもビリーの主演映画が見られただけでも充分ですけどね。