監督:シドニー・J・フューリー
製作総指揮:アヴィ・ラーナー
出演:ドルフ・ラングレン(フランク・ギャノン)
ポリー・シャノン(ビリー・ロス)
コンラッド・ダン(ストーン警部)
ラザフォード・グレイ(グライムズ)
ダニエル・カッシュ(ロプレスティ)
(感想)
邦題が、『レッド・スコルピオン』と『ブラック・ソルジャー』という、ドルフの代表作2本を組み合わせただけであり、ビデオジャケットが前の主演作『ディテンション』からの流用という手抜きっぷり。
何だか、「いかにも、つまらないB級映画」な臭いがプンプン漂ってきますが、フタを開けてビックリ。ドルフ主演映画の中でも上位に来る面白さの映画になってました。
主人公のドルフ刑事は、もう超クリーンな熱血漢コップで、悪い刑事達の汚職を告発しようとしています。で、当然、悪者達はそれを邪魔しようとドルフに襲い掛かってくるという展開になるわけです。それをドルフが殴ったり蹴ったり撃ち殺したりするという内容の映画なんですが。いやぁ、たったこれだけでここまで面白い映画になってしまうとは。
まず、「ドルフ演じる主人公があまり負けない」という点だけでも高得点です。他の映画では苦戦し過ぎなんですよね(笑)。ようやく、まともに強いヒーローの役が来たか、という感じです。
ですが、アクションシーンの迫力は少々不足気味です。まず、例によって、ドルフのアクションの動きが遅いんですよね。他のアクションスターのアクションと比べて、見てて強さがあんまり伝わってきません。どちらかと言うと、ヴァン・ダムやゲイリー・ダニエルズとかよりも、イーストウッド(もちろん若い頃の)のアクションの迫力に近いような気がしますね。格闘シーンよりも、ゴツイ銃を悪党に向かってぶっ放したりしてる姿の方が様になってるような気がします。
それなのにヴァン・ダム風なアクションを期待されてるような格闘シーンが割りと多目に出てきたりするんで、何か「似合わない事をやらされてる」という感じが見ててするんですよね。銃撃シーンも、予算の少なさの関係か、あまり迫力がありません。
このように、アクションシーン単品で見ると、正直大した事はないものです。でも、“その数が多い”=“ドルフの活躍するシーンが多い”というだけでここまで面白くなってるんですよね。さすがはアクションスターですねぇ。素晴らしい。
アクションスターが、劇中で多くのアクションを演じている。そういう映画こそがアクション映画好きが求める映画の姿なのではないかと思いますね。特に、優秀なスタッフ(監督や脚本家を始め)をあまり集められないB級やC級のアクション映画においては尚更です。
さて。個人的に、全ドルフ主演作の中でも上位に来る映画でしたが、この映画が上位という事は、裏を返せば、いかにドルフが役不足な映画に出まくってるかという事ですよねぇ。私は、ドルフはこんな位置に甘んじているような俳優ではないと思うんですが・・・。