監督:スティーブ・ワン
出演:マーク・ダカスコス(トビー・ウォン)
カディーム・ハーディソン(マリック・ブロディ)
ジョン・パイパー・ファーガソン(マディソン)
トレイシー・ウォルター(ヘッジホッグ)
ブリタニー・マーフィ(デリバランス)
加藤雅也(最新モデル)
ジェームズ繁田(ミスター・ラウ)
(感想)
いやあ、凄いアクション映画ですよ、これは。マーク・ダカスコスのフルパワーアクションが大炸裂! という感じです。
アクションの振り付けが香港映画を彷彿とさせるものになってて、まるでジャッキーやジェット・リーの映画みたいです。しかも、かなり笑いの要素が入ってて、特に相棒の黒人マリックがイカしてます。酒場でビールを飲んでたところをトビーとそれを追う組織の連中との戦いに巻き込まれて、結局一緒にロスまで行くハメになるという、ツイてない人です。こういう「ツイてない黒人」ってのは映画でよく見かけますね。もちろん、お約束通り、事あるごとに愚痴をこぼします(笑)。
最初はカタいキャラみたいな感じのトビーも、終盤に近づくにつれどんどんキャラが砕けていき、終いにはカラオケで熱唱するまで行きます(笑)。
もちろん、アクションのレベルは凄い所まで行ってます。ダカスコスのアクションも、時に小道具を使ったりと、まるでジャッキーアクションを彷彿とさせる動きを魅せてくれます。スピード自体はジャッキーよりも遅いんですが、その分、一つ一つのアクションが目で追えて、逆にこれが良かったりするんですよね。
この映画が作られたのは97年ですから、まだジャッキーもジェット・リーもアメリカに上陸してない頃です。そんな時代なのに、アメリカにこういう映画が作れたとはビックリです(合作の相手が香港じゃなくて日本ってのも以外!)。惜しむらくは、作るのが早すぎた事でしょうか。
この映画、ラストでも目的地であるはずのロスに着かずに終わるんで、続編が作られてもおかしくないんですが、結局作られなかったみたいですね。非っ常に残念です。少し前のジョエル・シルバー製の香港風アクション映画よりもいい出来の映画なんですけどね。まず、アメリカ製ジェット・リー主演作は凌いでるでしょう。
でも、今だったら、間違いなくジェット・リー主演で作ったはずでしょうね、この内容なら。
余談ですが、この映画のギャグの中で一番ウケたのは、トビーを追撃する殺し屋が車の中で見ていたテレビ映画。タイトルは『天才ガエル・ウォルター』で、超天才のカエル(という設定の安そうな作り物)がゲコゲコ言うと、周りで困り顔だった科学者達が「なるほど、そういう事か!」とか言ったりしてる番組です。
何だか、とってもくだらなそうで、見てみたいです(笑)。アメリカでは本当にこんな番組がやってるんだろうか。それとも、映画用に作られたギャグ用番組?