DRIVE 破壊王
<DRIVE>
97年 アメリカ・日本合作 117分

監督:スティーブ・ワン
出演:マーク・ダカスコス(トビー・ウォン)
   カディーム・ハーディソン(マリック・ブロディ)
   ジョン・パイパー・ファーガソン(マディソン)
   トレイシー・ウォルター(ヘッジホッグ)
   ブリタニー・マーフィ(デリバランス)
   加藤雅也(最新モデル)
   ジェームズ繁田(ミスター・ラウ)

(あらすじ)
香港警察のトビー・ウォンは、中国の謎の組織に胸にバイオ・エンジンと呼ばれる人工臓器を埋め込まれていた。この装置を埋め込まれると体力・反応速度が向上し、優れた暗殺者となるのだ。
だがトビーは組織からの逃亡に成功。体のバイオエンジンを取り除いてくれるという、ある組織に会う為、ロスに向かうのだった。
しかし、アメリカの地理が分からないトビーは、酒場で見つけた黒人を相棒にし、ロスの組織から貰える予定の多額の報奨金をエサに道案内を頼むのだった。

(感想)
いやあ、凄いアクション映画ですよ、これは。マーク・ダカスコスのフルパワーアクションが大炸裂! という感じです。
アクションの振り付けが香港映画を彷彿とさせるものになってて、まるでジャッキーやジェット・リーの映画みたいです。しかも、かなり笑いの要素が入ってて、特に相棒の黒人マリックがイカしてます。酒場でビールを飲んでたところをトビーとそれを追う組織の連中との戦いに巻き込まれて、結局一緒にロスまで行くハメになるという、ツイてない人です。こういう「ツイてない黒人」ってのは映画でよく見かけますね。もちろん、お約束通り、事あるごとに愚痴をこぼします(笑)。
最初はカタいキャラみたいな感じのトビーも、終盤に近づくにつれどんどんキャラが砕けていき、終いにはカラオケで熱唱するまで行きます(笑)。

もちろん、アクションのレベルは凄い所まで行ってます。ダカスコスのアクションも、時に小道具を使ったりと、まるでジャッキーアクションを彷彿とさせる動きを魅せてくれます。スピード自体はジャッキーよりも遅いんですが、その分、一つ一つのアクションが目で追えて、逆にこれが良かったりするんですよね。
この映画が作られたのは97年ですから、まだジャッキーもジェット・リーもアメリカに上陸してない頃です。そんな時代なのに、アメリカにこういう映画が作れたとはビックリです(合作の相手が香港じゃなくて日本ってのも以外!)。惜しむらくは、作るのが早すぎた事でしょうか。
この映画、ラストでも目的地であるはずのロスに着かずに終わるんで、続編が作られてもおかしくないんですが、結局作られなかったみたいですね。非っ常に残念です。少し前のジョエル・シルバー製の香港風アクション映画よりもいい出来の映画なんですけどね。まず、アメリカ製ジェット・リー主演作は凌いでるでしょう。
でも、今だったら、間違いなくジェット・リー主演で作ったはずでしょうね、この内容なら。

余談ですが、この映画のギャグの中で一番ウケたのは、トビーを追撃する殺し屋が車の中で見ていたテレビ映画。タイトルは『天才ガエル・ウォルター』で、超天才のカエル(という設定の安そうな作り物)がゲコゲコ言うと、周りで困り顔だった科学者達が「なるほど、そういう事か!」とか言ったりしてる番組です。
何だか、とってもくだらなそうで、見てみたいです(笑)。アメリカでは本当にこんな番組がやってるんだろうか。それとも、映画用に作られたギャグ用番組?