エイリアン・インベージョン
<ENDANGERED SPECIES>
02年 アメリカ映画 90分

監督・脚本:ケビン・テニー
出演:エリック・ロバーツ(マイク・サリバン刑事)
   アーノルド・ボスルー(ウォーデン)
   ジョン・リス=デイビス(ワイズノースキ刑事)
   トニー・ロー・ビアンコ(タンジーニ署長)
   ジェームズ・W・クイン(フィル・ヤマタ監察医)
   アル・サピエンザ(メディナ)
   サラ・ケイト・コーラン(スーザン・サリバン)
   サウリス・シパリス(ハンター)

(あらすじ)
スポーツジムが襲撃される事件が勃発。しかも犯人は犠牲者の数人をどこかに連れ去っているらしいのだ。
事件を捜査していたサリバンとワイズノースキは、入院している生存者に話を聞きに来た謎の男を逮捕する。だが、男を拘留中も事件が発生してしまうのだった。
釈放となった謎の男の身辺を嗅ぎまわるサリバンは、その男の部屋で凄いテクノロジーの使われてそうな機械を見つける。実は、この男は宇宙からやってきた異星人で、襲撃事件の犯人がやっている人間狩りを止めようとしているのだった。

(感想)
いい宇宙人と悪い宇宙人の戦いに刑事が巻き込まれるという、古き良きB級活劇な香りの漂うイカしたストーリーの映画です。しかも、出演陣がエリック・ロバーツにアーノルド・ボスルー、ジョン・リス=デイビスといやに豪華です。
予算は相当少なそうな、もう少しでC級に突入しそうなレベルの映画なんですが、よくぞここまで豪華なキャストが揃えられたものです。

敵の宇宙人の目的は、健康でガタイのいい人間を捕らえては、その皮を剥いで服を仕立てるというものです。要するに、「毛皮目的で狩りをしているハンター」なわけですね。
一方、アーノルド・ボスルー演じる良い宇宙人は、密かに人間の観察と研究をしている学者か何かのようです。野生動物の研究家がその対象に危害を加えたりしないように、ボスルーも人間を観察しているだけで、捕らえたり危害を加えたりする事はありません。
ですが、密猟者がやってきて人間を狩り始めた為、どうにかそれを止めようとします。そして、この宇宙人同士の抗争に我らがエリック・ロバーツが巻き込まれていくわけです。

宇宙人二人は「姿を消す装置」や「それを見る事の出来るグラサン」「標的の目に自動で飛んで行く弾を発射出来る銃」「車を一撃で爆破出来るぐらい強力な銃」などの超兵器を使ってきます。ついでに、体は不死身で、銃でいくら撃っても倒せません。
という、恐るべき宇宙人ですが、ボスルーの方は、かけっこでエリック・ロバーツに追いつかれたり、ハンターの方は、演技が明らかに『ターミネーター』のシュワのパクリだったりと、見ていてあんまり恐ろしい感じがしません(笑)。さらに、『サイン』の宇宙人のような、致命的ともいえる弱点もあったりします。
“『ターミネーター』のパクり”と言えば、終盤頃に悪い宇宙人が警察署を襲撃するというシーンがあるんですが、ここがもう、どこをどう見ても『ターミネーター』で、見てて微笑ましくなってくるぐらいでしたね。署への突入方法が「トラックで正面玄関をぶち破る」じゃなかったのがせめてもの救いでしょうか。
で、この襲撃でエリック唯一人がどうにか生き残るんですが、その後の、病院で手当てを受けているシーンにおいて、危機的な状況を脱したとはまるで思えないような、まるで転んで怪我をしただけみたいな佇まいだったのには驚きましたね(笑)。さすが、このジャンルの主演を長く続けているだけあって、「宇宙人に警察署を襲撃され、仲間が全員殺された」程度の事ではもう動じないんでしょう。
ちなみに、『ロード・オブ・ザ・リング』のギムリでお馴染みのジョン・リス=デイビスが出ているのですが、あの映画と同じような、コメディリリーフ的な役割を与えられたキャラクターを演じていましたね。ですが、いくら笑い担当とはいえ、死に様で笑いをとろうとするのはやり過ぎなんじゃないんだろうか(笑)。

敵の宇宙人の目的が「人の皮」ですが、皮を剥ぐシーンは映してきません。と言うか、クライマックスで人の皮で作ったと思しきジャケットがハンガーに掛かってるのが発見されるだけです。
と言う訳で、グロシーンは皆無なんですが、代わりに、映画の初っ端からシャワールームで巨乳女のヘアヌードが出て来たりと、エロ方面にはそこそこ力が入れられているようでした。何しろ、セリフのある女優の大半がオッパイ出してましたからね。まさか、これをエサにして豪華キャストを集めたんじゃないだろうな(笑)。