監督・共同製作:リチャード・ペピン
出演:チャド・マックイーン(ダリン・ブラニフ)
ゲイリー・ダニエルズ(スレッジ)
ジェームズ・ヘルビッグ(スウォードマン)
ジョセフ・ラスキン(ドレクセル)
ジョージ・マードック(クロイ署長)
パブロ・マーズ(メンデス)
アート・コマチョ(ヴァイパー)
アリシャ・ダス(リサ)
キンバリー・フーパー(スー・ブラニフ)
(感想)
ゲイリー・ダニエルズ出演の近未来刑事アクション!と思ったら、一対一の賭け試合がメインの格闘アクションでした。
舞台の「ヘルゾーン」という場所、要するに『ニューヨーク1997』の舞台や、ゲイリー主演の『メガロ』の舞台、『クラス・オブ1999』の無差別発砲地帯と同じような感じの場所です。そこでは法律なんてものは存在しないため、警官である主人公二人が、ちょっかいを出して来た悪党をあっさり射殺したりしてました。
でも、話のメインは建物内で行われている賭け試合「デス・リング」なので、町の様子はほとんど映されません。
このデス・リングですが、円形状の舞台に、回りを電流の流れるフェンスで覆ってあるという場所で戦う事になります。一番の特徴は、一定時間が経つと、戦ってる両者にコンピューターがランダムで選び出した武器が与えられるという所です。種類は、ヌンチャクにこん棒、サイ、刀、盾、等など。
普通は相手を殺してはいけない「ノン・デスマッチ戦」ですが、ある程度勝ち進むと、相手を殺して勝ちになる「デスマッチ戦」というのが行われます。
こんなルールのある試合に、ゲイリーとチャド・マックイーン演じる主人公の二人が出場するわけです。
ゲイリーは主演ではなく、共演という扱いで、話の主人公はチャドの方です。ですがこの男、戦って見ると、そんなに強くなかったりするんですよね。どうも、格闘技の経験者じゃないみたいで、モロ大振りのパンチなんかを放ってました。それなのに勝ち進めてしまうのは、話の主人公だからなんでしょうねぇ。まあ、弱いながらも一生懸命戦ってる姿は中々いいものでしたが。
一方のゲイリーは、もう、その戦ってる姿が芸術といった感じの華麗さ!そして強さ!素晴らしいですね。ちなみに、今回のゲイリーは髪を長髪にしていて、最初見た時はゲイリーだと気づかなかったぐらいです。
この試合の出場選手は、本名ではなく、リングネームで試合に出るんですが、中にはわけの分からないリングネームを使ってる奴もいました。“ニンジャ”とか“サイコ”、“マニアック”に“タナベ教授”など。そんな中、ゲイリーも“ハンマー”なんてリングネームを名乗ったりしてました(笑)。
敵のスウォードマンは、その体型、動きからして、どうも演じてるのがプロレスをやってる人っぽいですね。
終盤、ゲイリーとスウォードマンがデス・マッチで戦うという展開になるんですが、この頃、映画の流れが主人公側に不利な感じの展開になってきてたので、“ゲイリーが主役ではない”という点も含めて、「これは、ひょっとするとひょっとする展開になっしまうのかな」と、思わずビビリながら見てしまいました。これまで見て来た格闘アクション映画史上、最も緊張して見た場面かもしれません。
しかも、スウォードマンには武器が“刀”を与えられました。実は、表向きはコンピューターが選んでる事になってる、この武器システムですが、実はデス・リングのオーナーにして、悪の黒幕であるドレクセルが選んでるものなのです。
そういった不利な点があるにせよ、今までの試合での動きを見る限り、どう考えてもゲイリーの方が強そうなんですが、この辺の勝敗は俳優の力量は関係無く、脚本次第になってしまいますからねぇ。まあ、勝敗はここでは書かないでおきましょうか。
全体的には、まあ面白い映画でしたね。アクション面では、序盤の警察署が襲撃される際の銃撃戦も、低予算ながら頑張ってましたし、中盤以降は格闘シーンばかりでしたからね。ただ、ゲイリーの試合が全部で3回程度しかなかったのが残念でしたが。
他の出場者達も、演じてるのは格闘技経験者とか格闘技経験のあるスタントマンとかなんでしょうけど、ゲイリーの動きが一番映えてる感じでしたね。しかも、ヴァン・ダムもビックリな股割りも披露してました。