エグゼクティブ・エクスプレス
<HIJACK/THE LAST SIEGE(DVDタイトル)>
98年 アメリカ映画 95分

監督:ワース・キーター
脚本:スティーブ・ラッショウ
出演:ジェフ・フェイヒー(エディ・ライマン)
   ブレント・ハフ(デビッド・アンダーソン)
   アーニー・ハドソン(ダグラス・ウィルソン)
   ベス・トゥセイント(ヴァレリー・ミラー)
   パトリック・キルパトリック(カール・ハワード)

(あらすじ)
銃規制法案を通そうとしている、上院議員だか知事だかの偉い人の乗った列車をテロリストがハイジャック。しかし、秘書の恋人でATFの主人公がたまたま列車に乗り合わせていた。

(感想)
某セガール映画2本をパクってますと言わんばかりのタイトルですが、これは邦題。原題は『ハイジャック』という、そのまんまで分かりやすいタイトルです。
内容は、『暴走特急』は参考にしてるようですが、『エグゼクティブ・デシジョン』はパクってはいませんでした。まれに二番煎じ映画では、その元になった映画とほとんど同じシーンや、ヘタをすると全く同じシーンが(爆破シーンとか)流用されてたりしますが、この映画は低予算ながらも、そこまであこぎな真似はしていません。舞台こそ『暴走特急』ですが、後の展開はオリジナルなものです(と言っても、B級映画でありがちな展開ではあるんですが)。
まず、主人公の職業がATFという時点でオリジナリティが感じられますね。このATF、FBIとかDEA(麻薬取締局)みたいな、アメリカの警察機関の一つで「アルコール・タバコ・火器取締局」の略称なんですが、詳しい活動はちょっと私には分りかねます。何しろ、この機関が前面に出てきて活躍する映画なんてあまり見ませんですからね。その主人公が列車に乗り合わせたのも休暇中の時の事で、犯人を追ってきたわけではないんです。

主演はジェフ・フェイヒーという男で、B級アクションでたまに名前を見かける人です。この映画でこの人の事を初めて目にしたので、ジェフ・スピークマンやゲイリー・ダニエルズみたいに強い奴なのかな?と思って期待してたんですが、どうやらマーシャルアーツ系の人ではないようでした。
中にはマーシャルアーツを使わなくても強い方々も存在しますが、この人、行動自体はヒーローっぽいのに、戦ってみると全然強くないんですよね。この映画だけでの話かもしれないですけど、強くないと言うより、むしろ弱いです(まあ、同じ意味か・笑)。
なのにこの映画は最後ハッピーエンドで終わる事となります。それは、主人公の戦闘力に関係なく、ただ単に「敵テロリストがアホだから」というのが主な理由なんです。見ていて「何でそこでそんな行動をとるんだ?」というような珍行動を所々で披露しますし、それ以前に、ハイジャックの計画自体がすでに杜撰でしたからね。
で、敵がアホなおかげで主人公が勝利するという、それは新しいパターンですよ(ちなみに、劇中、誰もテロの珍行動にツッコミを入れないので、コメディ演出というわけではないらしい・笑)。
これはまさに、『暴走特急』他、A級アクションではあり得ないような、オリジナリティ溢れる展開でしたねぇ。