アイスブレーカー
<ICEBREAKER>
99年 アメリカ映画 90分

監督:デヴィッド・ジャンコラ
出演:ショーン・アスティン(マット)
   ブルース・キャンベル(グリーグ)
   スザンヌ・ターナー(メグ)
   ステイシー・キーチ(ビル)

(あらすじ)
スキー場にテロリストが現れ、食堂にいた客が人質にとられる。その人質の中に恋人がいる事を知った救護員のマットは、英雄になろうと無茶な行動をおっ始めるのだった。

(感想)
一応、『ダイハード』タイプの、舞台が限定された(この映画ではスキー場)、対テロリスト映画です。
今まであらゆる場所がテロリストに占拠されてきましたが、ついにその魔の手はスキー場にまで伸びてきました。さらに、それと相対する主人公も、ついに刑事からただの救護員になりました。火曜サスペンスとかで、色んな職業の人が探偵の真似事をしてますけど、もはやそれと同じ感覚ですね。
主人公が素人のせいか、実のところ、全く活躍しません。むしろ、こいつの英雄志向のせいで話がややこしくなったりしますからね。しかも最終的に、おいしいところは全て他のキャラに持っていかれて終わりです。
例えば、主人公のマットが恋人や人質の救出の為、勇んでテロの占拠する食堂に乗り込むというシーンがあるのですが(食堂を占拠するテロってのもかなりマヌケですが・笑)、素人だけあって敵にあっさりと見つかってしまいます。そして、敵のリーダーの前に連れて行かれるマット。まさに絶体絶命のピンチ!
ですが、敵のリーダーもこいつがただのヘナチョコなのを見抜いたのか、おつかいを頼まれて出してもらえたのでした。
いやぁ、もう、爆笑ですね。なんて主人公でしょう(笑)。
そんなマットにも、最後に活躍の機会が訪れる事となります。ラスト、敵とスノボーチェイスをやらかすシーンがあるんですが、これが結構迫力がありましたね。ただ、後から追ってきてる敵が、もう、すぐ後でマシンガンをバリバリ撃ってるのに、全然当たらないのはちょっと笑えました。
「さすがにスノボーの腕前は凄いんだな」と感心したのも束の間。この後、まんまと足を怪我し、負傷してる間にラストのおいしい場面を脇役に持っていかれる事となります。うーむ、最後まで笑かしてくれる主人公ですね(笑)。

こんな愉快な主人公、マットを演じるのは、この後、超大作『ロード・オブ・ザ・リング』にサム役で出演する事となる、ショーン・アスティンがやってます。
また、面白いことに、テロリストのリーダーを演じるのがブルース・キャンベルです。そうです、あの『死霊のはらわた』シリーズの彼です。しかも何故かスキンヘッドです(笑)。
また、キャンベルの部下の女が、どのシーンでも常に「これが女テロリストの顔だ!」と言わんばかりのしかめっ面を作っていて笑えます。きっと本人は渾身の演技をしてるつもりなのでしょうね。