インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
<INDIANA JONES AND THE LAST CRUSADE>
89年 アメリカ映画 127分

監督:スティーブン・スピルバーグ
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
      フランク・マーシャル
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハリソン・フォード(インディ・ジョーンズ)
   ショーン・コネリー(ヘンリー・ジョーンズ)
   デンホルム・エリオット(マーカス・ブロディ)
   アリソン・ドゥーディ(エルザ・シュナイダー)
   ジョン・リス=デイビス(サラー)
   リバー・フェニックス(若い頃のインディ)

(ストーリー)
今度は、聖杯伝説の謎の迫る、我らがインディ・ジョーンズ。
聖杯研究の第一人者である、インディの父親、ヘンリーが行方不明になっているという事で、長年音信不通だった父親を探す事となるインディ。
ヘンリーは、聖杯を狙うナチスに捕らえられていたのだが、インディはどうにかして救出に成功する。そして、ヘンリーの研究ノートを元に、聖杯が眠っているとされる場所へ親子共同で向かうのだが、行く手をナチス軍が阻んでくる。インディ親子とナチスの間に、聖杯を巡る聖戦の火蓋が切って落とされたのだ!

(感想)
「今回はインディの父親が登場する。しかも、演じるのはショーン・コネリー!」というのが見所となるシリーズ3作目ですが、この映画を最初に見た時、私はまだコネリーが何者なのかも知らない時期でした。
なので、今回の「父親登場」は、「余計な事しなくていいのに」という思いが大きかったですね。インディ一人が活躍するのを見たいのに、見せ場をかっさらわれるなどの邪魔をされるのではと思っていたのです。
でも、見てみたら、これがまた、実に面白いコンビで、場面によっては、二人の掛け合いがコントのように見える時もあるほどでした。
このシリーズは毎回、ユーモアのある笑いのシーンが出てきますけど、今回は、ユーモアと言うより“ギャグシーン”みたいな感じのが多かったような気がしたものでした。しかも、そのほとんどに関わってるのがインディパパでしたからね。これが私にとっての初コネリーという事もあり、しばらくはコネリーに「愉快なお爺ちゃん」という印象を持っていたぐらいです(多分、『ザ・ロック』を見るまで、このイメージは続いていたと思います・笑)。
そのギャグシーンも、私のツボをつきまくるタイプのもので、もう終始、ゲラゲラ笑いながら見てましたね。結局、見終わった後は「今回はコメディ映画になってしまったのか。でも、面白かったからいいや」なんて感想を持ったぐらいでした。
一方、アクションや謎解きの面白さも、今までのシリーズと同等の、ハイレベルなものですし、中盤までの舞台がヨーロッパ方面というのも、「ヨーロッパの景色好き」な私には、視覚的に嬉しい点でした。
当初危惧していた、「オヤジに見せ場をとられる」という点も、登場キャラの中で危険時に一番頼りになるのはやっぱりインディのみだった、という事で、アクションシーンではインディの独壇場になっていました。
さらに、これまでのシリーズでは、インディの近くでピーピー騒いで大変目障りだった“ヒロイン”にあたるキャラが今回は敵側にいる、という事で、全然邪魔にならなかったというのも素晴らしい点でした。共に行動する機会が少ないうえにほとんど騒がない人でしたしね。
ついでに、冒頭に出てくる「インディ少年時代」のパートも、「蛇が嫌いになった理由」や「ムチを最初に使った瞬間」「帽子とジャケットというお馴染みのファッションのモデルとなった人物の登場」など、インディのキャラクターを面白いものにしている数々の要素の歴史が見られて、非常に興味深かったです。

何かもう、「シリーズ最高傑作!」と言っていいぐらい、素晴らしい点が多い映画なんですが、何故か、シリーズ中では、前2作には劣る、という印象なんですよね。
多分、ストーリーの流れの都合上、遺物の探索や、洞窟などの人跡未踏な場所に入っていく事が少なく、あんまり「冒険をしてる」という印象が無いのが原因なんじゃないかと思います。
あと「父親に振り回されるインディの姿」というのが、インディに求めてる“ヒーローっぽさ”を薄めてしまっているから、というのもあるかもしれません。
でも、どちらも「今までと違う、別の面白さ」というのが出ていたわけで、映画の出来や完成度では決して前2作に劣っているわけではないんですよね。
結局、「個人的な好みとして、前2作の方が好き」という事なんでしょうね。