監督・共同脚本:クリストフ・ガンズ
出演:サミュエル・ル・ビアン(グレゴリー・フロンサック)
ヴァンサン・カッセル(ジャン=フランソワ・モランジェス)
エミリー・ドゥケンヌ(マリアンヌ・モランジェス)
モニカ・ベルッチ(シルヴィア)
ジェレミー・レニエ(トーマス・ダプシェ)
マーク・ダカスコス(マニ)
ジャン=フランソワ・ステヴナン(ヘンリー・サルディス)
(感想)
ここ数年、すっかり様変わりした感のあるフランス製アクション映画です。
映画の大まかな作りはホラーっぽい感じです。グロシーンは無いんですが、何となく、ヨーロッパのホラーっぽい雰囲気が感じられます。そしてその中に、話の流れ的に自然に入るような感じではなく、これが見せ場だと言わんばかりに強烈なアクションシーンが挿入されます。
なんと言っても、共演があのマーク・ダカスコスですからね。しかも、ちゃんとマーシャルアーツを披露するシーンがあるんです。劇中、主演のサミュエル・ル・ビアンとヴァンサン・カッセルにも格闘シーンが用意されてるんですが、やっぱり目に見えてレベルが違いますね。
ストーリーはミステリー風味な展開なんですけど、中盤頃には獣がその姿を現します。最初の頃は例によって姿を見せないで恐怖を煽るみたいな手法なんですが、目撃者の証言から主人公フロンサックが絵に書いたものは提示されます。それがまた、「こんな化け物、実際にいるかよ」みたいな造形なんですが、中盤、何と絵の通りの奴が出てきてしまいます(CG製)。しかも、そんな外見の奴と、主人公と仲間達(計3人)が谷で大バトルを繰り広げたりします。
その外見、動きから、なかなかインパクトのある怪物になっていました。谷でのバトルシーンの迫力も凄かったです。
「小説ではなく、映画なのだから、映像のインパクトを第一に考えたい」と監督が考えていたのか、全体的に映像が凝ってます。映し方とか編集の仕方が凝ってるというわけではなく、マーシャルアーツシーンが出たり、凝った造形の獣が出たり、変わった形の武器が出たりと、色々な面で「映像的に映えるように」考えられてる感じがします。
監督のクリストフ・ガンズは、かつてマーク・ダカスコスと組んで『クライング・フリーマン』を撮った人です。あの映画もかなりアクションのレベルが高い映画でした。ジェット・リー、スティーブン・セガールを主演にしながら、あまりレベルの高くないアクションを撮ったアンジェイ・バートコウィアクとはえらい違いです。今後、注目の監督ですね。出来れば、ヴァン・ダムとかゲイリー・ダニエルズとかを使ってあげてほしいです(ダカスコスと共演なら尚良い・笑)。
ちなみにこの映画、全体的に「変わった映画」という印象があるので、人によって合う合わないがありそうです。少なくとも、「格闘アクション」「モンスター映画」に興味がある人なら楽しめるとは思いますが。