ライブ・ワイヤー
<LIVE WIRE>
92年 アメリカ映画 86分

監督:クリスチャン・デュゲイ
出演:ピアース・ブロスナン(ダニー・オニール)
   ロン・シルバー(フランク・トラベレス議員)
   リサ・エイルバッチャー(テリー・オニール)
   ブレント・ジェニングス(シェイン)
   ベン・クロス(ミケール)
   アル・ワックスマン(ジェームズ)

(あらすじ)
レストランで食事中の議員が爆破テロで死亡する事件が発生。爆弾処理班からFBIに昇進したばかりのダニーが調査を開始するが、現場からは起爆装置すら発見出来ない。
さらに、また一人の議員が車で移動中に爆死する事件が発生。またしても現場からは何も発見する事が出来なかった。だが今回は、容疑者として運転手が逮捕されていた。
だがその裁判の日。法廷に入って来た裁判官が一口水を飲むと、突然苦しみ出した。傍聴に来ていたダニーの目の前で裁判官が爆破。証人も巻き込まれて死亡してしまった。
何と、一連の爆破事件には、水にそっくりな液体爆弾が使われていたのだ。

一方で、ダニーは妻テリーと別居の危機に瀕していた。原因は、ダニーが娘の事故死のせいで自暴自棄的になってしまった事と、議員秘書のテリーがボスであるトラベレスと不倫をしている事だった。
そのトラベレスは、殺された二人の議員と同様、武器輸出禁止法案に賛成票を入れている議員だった。次の標的はトラベレスなのだ。

(感想)
ピアース・ブロスナンが爆弾テロ犯を追うアクション映画です。
あらすじにも書いた通り、この映画の爆弾はただの爆弾じゃないんです。見た目は水にそっくりの液体爆弾で、もしそれを飲んでしまうと体内から大爆破をするという、まさに人間爆弾です。
爆破する人間は、爆破の前に悶え苦しみ、目からは血を流し、場合によっては腹が裂けたりします。なんとも恐ろしい話です。また、この爆破のシーンには、爆破に巻き込まれて燃えたり吹っ飛んだりする人を、スタントマンや人形を使ってしっかり演出します。
というように、少々バイオレンスの要素が入ってる映画です。まあ、バイオレンス描写と言っても、『ロボコップ』に比べたらお子様向けに等しい程度のものですけどね。

主演は『007』シリーズのピアース・ブロスナン。相変わらず、セクシーでダンディな二枚目ヒーローを演じています。この人はどの映画でも印象が変わらないですね。どうも、役柄に成り切るというタイプの俳優ではないようです。この映画は『ゴールデン・アイ』よりも前に作られた映画ですが、やっぱりブロスナン演じるダニーが、ボンドと似たような印象です。きっと、ブロスナンにとって、ボンド役は天職だったんでしょうね。

ストーリーは、主人公のダニーと妻テリー、そして妻の浮気相手トラベレスとの関係がメインになってしまっていて、敵である爆弾テロ犯は少々扱いが小さいです。爆破事件は劇中4回程発生するんですが、原因が液体爆弾である事を突き止めるのが3回目の爆破事件の後なので、基本的に捜査は後手に回ってるんです。
最終的には、標的のトラベレス議員を消しに来た犯人を待ち伏せて返り討ちにして終わりという、アクション映画的な展開になります。
その、終盤のトラベレス邸での攻防戦なんですが、何とブロスナンがケイシー・ライバックのように、ブービートラップや手作り爆弾で敵に応戦したりします。まさか、セガール映画以外でこんなシーンが見られるとは!