テキサスSWAT
<LONE WOLF McQUADE>
83年 アメリカ映画 107分

監督・製作:スティーブ・カーバー
原案・脚本:B・J・ネルソン
音楽:フランチェスコ・デ・マージ
出演:チャック・ノリス(J・J・マックエード)
   デビッド・キャラダイン(ローリー・ウィルクス)
   バーバラ・カレラ(ローラ・リチャードソン)
   ロバート・ベルトラン(ケオ)
   ダナ・キンメル(サリー)
   レオン・アイザック・ケネディ(ジャクソン捜査官)
   L・Q・ジョーンズ(ダコタ・ブラウン)
   R・G・アームストロング(タイラー)
   シャロン・ファレル(モリー)
   ダニエル・フッリッシュマン(“タカ”)
   ウィリアム・サンダーソン(スノー)

(あらすじ)
テキサスの治安を守る“テキサス・レンジャーズ”の一匹狼J・J・マックエードは、警官隊を数秒で降伏させてしまうほど手強い馬泥棒軍団を一人で退治してしまうほどの猛者だった。

ある日、町に悪者集団“ローリー・ウィルクスと愉快な仲間達”がやってきた。お祭り会場でカラテのデモンストレーションをやったりしていたが、裏ではメキシコマフィアとつるんで、武器の密売をやっているという恐るべき集団だ。
ついに、軍の武器輸送車の襲撃という大事件をやらかし、FBIが介入する騒動が起こる。そして、その襲撃にマックエードの娘サリーが巻き込まれ、大怪我をさせられた事から、マックエードもこの事件に相棒と共に参戦するのだった。
一方、マックエードはお祭り会場で出会った未亡人のローラと急速に仲良くなっていた。ローラはローリーの一味にいるのだが、仲間というわけではなく、無理矢理一緒にいさせられてるだけなのだった。

輸送車襲撃犯を追っていたマックエード達だが、FBIのミスで敵の反撃に遭い、怪我をしてしまう。さらに、ローリーはサリーを拉致してメキシコのアジトに帰ってしまう。
ローリーとつるんでいたメキシコ・マフィアから情報を得たマックエードは、怪我も癒えぬまま、娘の救出と敵の壊滅の為、メキシコに仲間と共に乗り込むのだった。

(感想)
テキサスを舞台に、テキサスレンジャーのチャックが暴れ回る映画です。もう、文字通りに「暴れ回る」といった感じで、捜査の邪魔になる連中を片っ端からぶん殴ってましたからね(笑)。これがテキサス流の捜査なのか。
舞台がテキサスやメキシコだからなのか、どことなく西部劇のような雰囲気が漂ってる映画ですね。オープニングで出て来るアクションシーンも「馬泥棒との対決」というもので、最初に見た時は本当に西部劇なのかと思ってしまいました。ただ、チャックと馬泥棒の対決が「早撃ち対決」とかではなく「マシンガンの撃ち合い」という、極めて現代劇的なものでしたけどね(笑)。

原題を直訳すると『一匹狼マックエード』となるように、主人公のマックエードは一匹狼系のキャラクターです。結婚していて、もう大きくなる娘がいるんですが、家族とは別居していて、砂漠の中の小屋みたいな家に一人で住んでいます。そして、分かりやすい事に狼を一匹飼っています(笑)。
家の中は荒れ放題で、冷蔵庫の中にはお気に入りの缶ビールが常にストックされています。家にいる時だろうが勤務中だろうが、しょっちゅうビールを飲んでるような奴なんですが、不思議とマックエードにはくたびれたような感じはなく、むしろ爽やかなナイスガイに見えるぐらいです。似た名前のマックレーンとはエラい違いですね。
別居はしているものの、家族との仲はすこぶる良好で、気のいい友人もいます。暇な時は家の庭で銃の訓練をし、自慢の愛車は改造を施されていて超スピードを出す事が可能です。
何かもう、「この人は人生楽しくてしょうがないんだろうな」というのが感じられるような生活風景ですね。
一匹狼ですが、付き合いづらい人間というわけではないようで、テキサス・レンジャーズの相棒がついたり、後にはFBIからも協力者が出て来るほどです。
敵のアジトに乗り込む際にも、この二人はきっちり付いてきてくれましたからね。『野獣走査線』の時はロボットしか仲間がいませんでしたが(爆)、これはシカゴとテキサスの土地の差なんでしょうかね。
また、当初はへっぽこだった相棒ですが、終盤はかなり頼れる仲間になっていた辺りは、成長が見てとれて面白かったですね。さすがテキサスで生きてる男です(私はテキサスをどんな土地だと思ってるんだ・笑)。

悪役は『キル・ビル』でお馴染みのデビッド・キャラダインで、クライマックスではチャックとカンフーバトルを繰り広げるという見せ場があります。この人、『燃えよカンフー』とかいうタイトルのテレビシリーズに主演してたようで、格闘アクションは多分慣れたものだったのだとは思いますが、チャックとやりあえる程には強く見えませんでしたね。構えも何だか格好をつけてるだけで隙だらけという感じでしたし。まあ、格闘技経験者というわけではないようなのでしょうがないですけどね。
でも、この一騎打ちシーンの際、マックエードが負傷しているという設定なのと、背景で鳴ってる音楽がカッコいいという事で、中々見応えのあるアクションシーンになってましたね。そして、「最後が格闘アクションで締められるアクション映画はいいなぁ」と見ながら思ったものでしたね。