監督・共同脚本:ジョージ・ミラー
撮影:ディーン・セムラー
出演:メル・ギブソン(マックス)
ブルース・スペンス(ジャイロ・キャプテン)
ケル・ニールソン(ヒューマンガス)
ヴァーノン・ウェルズ(ウェズ)
マイク・プレストン(パッパガーロ)
荒野を彷徨う一匹狼の男マックスは、愛車のガソリンを探していた。
謎の小型ヘリを操る男と知り合ったマックスは、彼からガソリンのありそうな場所を聞き出した。そこは、少数の人達が作り出した城塞のような場所で、道路を牛耳る悪者集団ロード・ウォリアーズの襲撃にも耐えられる強固さを持っていた。
マックスは、そのコミュニティの仲間が外でロード・ウォリアーズに襲われているのを見つけ、その襲われていた男を助け出した。そして、彼を仲間のところへ連れて行く代わりにガソリンを頂こうとする。だが、その男は着いて間もなく死亡してしまい、取引は無しにされてしまった。
そこで、この連中がガソリンを運ぶトレーラーを必要としているのを聞き、今度は自分がトレーラーを持ってくる代わりにガソリンを貰うよう取引をする。
ロード・ウォリーズに襲撃されながらも、抜群のドライビングテクニックでトレーラーを城塞まで運んだマックスは、約束通り車のガソリンを貰う。
コミュニティのリーダー、パッパガーロからこの地に残って手助けをしてくれるよう頼まれるが、マックスはそれを断り、車を発進させる。
だが、ロード・ウォリアーズの襲撃により車は横転。マックスも大怪我を負ってしまうのだった。
ヘリの男に助けられ、再び城塞に戻り介抱されるマックスは、今度はパッパガーロ達を手伝う事にするのだった。
(感想)
『マッドマックス』の続編ですが、主人公は同じながら、前作とは世界設定の変わった話になっているという、珍しいタイプの続編です。
この『2』の世界は、もうまさに「北斗の拳」そのままという世界です。と言うか、「北斗の拳」の方がパクってるんですけどね。この映画のビジュアルセンスは当時はかなりエポックメイキングだったらしく、世界設定やビジュアルなどが「北斗の拳」のようなマンガに使われたり、映画でもバッタ物を大量に出すなどしていたようです。
特に凄いのは、敵のロード・ウォリアーズの風貌、衣装ですね。もし私が「北斗〜」を見る前にこの映画を見たのなら、もう「なっ、なんだこりゃあ!?」とか思ったでしょうね。それぐらいに奇天烈な格好です。どこをどうやったらあんな衣装が思い浮かぶんでしょう(笑)。
中でも、敵のボスであるヒューマンガスなんて、異常者を超越した別の何かみたいなところまでイッちゃってる格好でした。しかも顔にはホッケーマスクを被ってますし。製作年度を考えると、実はこいつがジェイソンの元ネタだったりするんでしょうか。
あと、熱血モヒカンのウェズの“尻出し衣装”も不気味なことこの上なしです。
このウェズ、終盤では、その前のシーンでヒューマンガスの命令を無視して暴走した事へのお仕置きなのか、首を鎖でつながれてましたね。しかもその鎖を手綱のようにヒューマンガスが持ってるというのも、何か凄いイマジネーションだな、とか思ってしまいます。
一応、マックスという孤高のヒーローを描いた映画なのですが、今見ると、このマックスは強いのかどうかも分からないぐらい微妙なヒーローですね。見かけはカッコいいんですが。
中盤で、「俺は我が道を行く」的に格好つけて車に乗って去って行ったのに、敵に襲われてあっさり車をおしゃかにして、さらに大怪我して帰ってくるなんて、最近のヒーローでは考えられないような行動です。
でも、こんなマックスのヒーロー像は、どことなく、スネーク・プリスケンのそれと似てるところがあるような気がしますね。こういうのも、似合ってる人がやる分には面白くていいです。
この映画、全体的にセリフが凄く少ないですね。その代わりに、背景に音楽が鳴ってる場面が多いような感じがしました。何か、無声映画を見てるみたいです(笑)。
終盤、ずっと続くカーチェイスシーンも、聞こえるのはひたすら音楽と効果音のみ。で、たまにやられた奴の断末魔が入ったりするんですが(笑)。
このカーチェイスシーンは映画のメインという事で、凄く力が入ってましたね。スタントマンも何人か負傷したようですし。特に、グルングルン回りながらすっ飛んでくスタントをやった人は、その後すぐに病院送りになったそうですね。そもそも、グルングルン回りながら吹っ飛ぶのは、スタント的にはかなり危険な失敗らしいですからね(本来なら回らずに吹っ飛ぶところらしい)。でも、結局本編に使われてるのが、その失敗飛びというのが凄い(笑)。
そうそう。マックスの相棒の犬がとっても可愛らしかったですね。途中で殺されて出てこなくなるのが残念ですが。
動物では、コミュニティの城塞の中にはブタさんも走り回ってましたね。キレイなピンク色の子豚でした。最後、脱出する時はあの子豚達もちゃんと連れてってあげたんだろうか。