アンダーカバー
<MARTIAL LAW II: UNDERCOVER>
91年 アメリカ映画 92分

監督:カート・アンダーソン
出演:ジェフ・ウィンコット(ショーン・トンプソン)
   シンシア・ラスロック(ビリー・ブレイク)
   ビリー・ドラゴ(クランツ警部)
   ポール・ヨハンセン(スペンサー・ハミルトン)
   エバン・ルーリー(タナー)
   デボラ・ドリッグス(ティファニー・マイケルズ)

(あらすじ)
カンフー刑事ショーン・トンプソンは、異動先の警察署で、警察学校時代の友人ダニーと再会する。だがダニーはその晩、飲酒運転で事故死してしまう。「もう酒はやめた」とダニーから聞いていたショーンは、この事故には何か裏があるに違いないと直感する。
事故車からくすねた証拠品のマッチ箱に書かれてるクラブに行き話を聞こうとするが、用心棒のカンフーマンと乱闘になり追い出されてしまう。
そこで、友人のカンフー女ビリーに頼んで、そのクラブに潜入してもらうことにする。ビリーはバーテンとしてクラブに潜り込む事に成功。そうして色々情報を集めるうちに、警部のビリー・ドラゴ、ではなくて、クランツもやっぱり何かの陰謀に関わってる事が判明するのだった。

(感想)
『マーシャル・ロー2』という原題が示す通り、実は続編物の映画のようでした。前作は邦題『ハード・リベンジ』というタイトルで、これじゃ続編かどうか何て分かりっこないです。でも、多分ストーリーに繋がりは無いと思うので、この二作目から見ても特に問題は無かったですけどね。
ストーリーは、カンフーマンとカンフーウーマンのコンビが同僚の死の謎を調べる、というもので、定期的に主人公が暴漢に襲われるシチュエーションが起きてカンフーアクションが始まったりします。

主演のジェフ・ウィンコットも、共演のシンシア・ラスロックも、見るからに格闘技経験者なマーシャルアーツアクションを見せるんですが、どうも、2人とも動作の流れが遅めで、アクションにスピード感が無いんですよね。さらに、やられ役のスタントマンのせいかもしれないですが、攻撃に重さも感じられないんです。
ウィンコットも、後ろ回し蹴りからローキック連打、ジェフ・スピークマン的な連続チョップなど、色々と華麗な技を見せるんですが、何が原因なのか、その動作一つ一つに常に迫力が欠けてる感じなんですよね。ラスロックの方はそれにプラスして、動きがかなり遅いです。
どちらも、技単品で見ると、ちゃんと見栄えもしてるし動作もサマになってるんですが、“格闘アクションシーン”としてみると、少々物足りないものがありましたね。

実は、私はこの映画で初めてジェフ・ウィンコットを見たんですが、この映画では凄い人なのかどうかよく分からなかったですね。何か、「ヴァン・ダムからスター性を引いて地味にした」というような印象でした(ダメじゃん・笑)。

ですが、「目で技を追えないぐらい忙しい編集&カメラワーク」のアクションシーンを見せられるよりははるかにマシではありますけどね。それに、この映画自体も、見てて飽きない程度のストーリーに、定期的に挿入される格闘アクションシーンと、その構成自体はこの手の映画として全く問題の無いものなので、「とりあえず、格闘シーンが見られればOK」という人なら充分楽しめると思います。