監督:カート・アンダーソン
出演:ジェフ・ウィンコット(ケビン・ホワイト捜査官)
ゲイリー・ハドソン(ジャック・ホワイト巡査部長)
クリスタ・エリクソン(ロリー・ホワイト)
リチャード・ジェッケル(親父)
ウラジミール・スコマロフスキー(ニコライ・ロドチェンコ)
ステファノス・ミルトサカーツ(セルゲイ)
リリアナ・コモロウスカ(マリア)
アリ・ハラク(アンドレイ)
ナターシャ・パブロア(ミア)
ゲイリー・ウッド(エバンズ)
(感想)
B級マーシャルアーツスター、ジェフ・ウィンコットがフルパワーで暴れまわる快作です。
ストーリーは、実は悪徳警官に成り果てているロス市警の兄と、DEA麻薬捜査局の主人公が、共に麻薬事件を追う、というものです。そして、犯人のロシア・マフィアと兄は裏で繋がっているんです。
そして、この兄貴の方もマーシャル・アーツ野郎なんです。演じるゲイリー・ハドソンが格闘技経験者なのかは分からないですが、この手の映画には大抵、主人公一人しかいないマーシャルアーツ・マスターが二人いる、というのは珍しくも面白い所ですね。
ただ、アクションシーンに関わるのはウィンコット単独の場合が多いんですが、一ヶ所、とあるバーに入った所で起こる格闘シーンでは、「群がる敵を兄弟で倒す」というシチュエーションでした。こういう、“二人同時プレイ”的な格闘シーンは珍しいので、見ていて面白かったですね。
また、この映画全体に言える事ですが、一つの格闘アクションシーンが長めなんです。何で長いのかと言うと、敵が異様にタフなんです。「殴っても蹴っても倒れない」というタフさではなく、「倒れても倒れても起き上がってくる」というタフさです。でも、起き上がる度に、ウィンコットのマーシャル・アーツによって倒されるので、その見事な技を何回も見られる事になるんです。
そして、そのメインである格闘アクションシーンの撮り方も大変よろしいです。前の『アンダーカバー』の時は何か動きの遅いアクションシーンで、主演のウィンコットにもあまり凄みを感じなかったのですが、どうやら前は映し方が悪かっただけのようです。今回は回し蹴り連打から連続パンチまで華麗に決まりまくってましたね。
中盤にはこの映画最大の目玉、「ロシアン・サークル・シーン」が出て来ます。ロシアン・サークルとは、いわゆる敵の罠の名前なんですが、ウィンコット演じるジャックが、敵数人に囲まれるという状況が起こります。そして、その周囲を囲む敵が一人または二人づつ襲って来て、全員に勝つまでそこから出られない、というルールのゲームです。
ここでは素手の戦いだけでなく、棒からバーベルといった健康器具などを武器として使った格闘シーンも起こります。そしてもちろん、ここのシーンも長めです。
いやぁ、ここは凄いシーンでした。見てて幸せな気分になってくるぐらいのキックパンチの雨あられですよ。やられた敵の気合の入った吹っ飛び方もそれは見事でした。
ウィンコットの主演作は現時点ではまだ2本しか見てないですが、この映画がきっと代表作でしょうね。そう思うぐらいにレベルの高い格闘アクション映画でした。