監督:スティーブン・ホプキンス
製作:ローレンス・ゴードン
ジョエル・シルバー
ジョン・デイビス
特撮:スタン・ウィンストン
音楽:アラン・シルベストリ
出演:ダニー・グローバー(マイク・ハリガン)
ゲイリー・ビジー(ピーター・キース)
ビル・パクストン(ジェリー・ランバート)
ルーベン・ブラテズ(ダニー・アーチュリータ)
マリア・コンチータ・アロンゾ(レオナ)
ロバート・ダビ(フィル・ヘインマン署長)
アダム・ボールドウィン(ガーバー)
ケビン・ピーター・ホール(プレデター)
(感想)
舞台をジャングルから大都会ロサンゼルスに移し、シュワの代わりに、リーサル・ウェポンの相棒のダニー・グローバーが戦いを挑む事となりました。ちなみに、二作目で都会に出るのは、『ベイブ』シリーズと同じ流れですね(なんて映画と比べてんだ・笑)。
前作では特殊部隊の面々を相手にしたプレデターですが、今回は麻薬組織の連中にロス市警軍団、プレデターの捕獲を目論むゲイリー・ビジー達を相手に大暴れします。
相手と舞台が変わった事で、映画の雰囲気も大きく変わりました。コンバットアクション物っぽかった前作から、今度は刑事アクション物っぽくなってるんです。
また、当初は主人公が狩りの標的ではないというのも前作と違う点ですね。事件の捜査という形でプレデターの足取りを追うという(正確には、プレデターを追っている連中の後を追ってるんですが)、主人公が追う側になってるんですよね。
正体が分かってない段階でも、正体が分かった後でも、主人公のタフガイ・デカは常にプレデターを追いかけています(戦闘中、一旦逃げをうつ局面もありますが)。ですが、その主人公は演じてるのがシュワみたいなスーパーマッチョでもセガールみたいな無敵超人でもなく、ダニー・グローバーという、強いんだか弱いんだか分からないような奴です。なので、追いかけてる時も、戦ってる時も、主人公は常に必死です。まさに死に物狂い。多分、底力を出して通常よりも強くなってるんじゃないでしょうか(笑)。
この、「主人公が見るからに強い奴じゃない」「だけどやたら頑張ってる」というのが、この映画の面白い所でもありますね。
何故、コイツはそうまでしてプレデターに挑んでいるのかと言うと、仲間を殺された事への復讐からです。このストーリー展開から来る迫力は、個人的に前作以上のものが感じられましたね。
さて、前作ではなかなか姿を現さなかったプレデターも、今回は続編という事で、もう序盤から姿を現してきます(もちろん、カモフラージュはしてますが)。さらに、前作は持ってなかった武器を新たに持ち出して来ていたり、特殊な「治療キット」も持参していたりと、やる気も充分。
そんなプレデターですが、こんな人のごった返す場所に現われたにも関わらず、一般市民には全く手を出さない所が素晴らしいですね。相手にするのは、武装してる連中のみなんです。これは、他の悪い宇宙人には無い、独自のユニークな設定ですね。
ラスト、満身創痍のハリガンの前に現われる大量のプレデター達ですが(ここでハリガンが言う、「さて、次はどいつだ?」は最高のセリフですね。私も、もし怖い人に囲まれる機会があったら、こんな強がりを言ってみたいものです)、ハリガンを殺さずに、仲間の死体を回収して去って行ってしまいます。しかも、去り際にプレゼントまでくれたりしました。
1700年代の古い銃ですが、多分、プレデター相手に健闘した人間が使ってた武器だったんでしょうね。果たして、殺して奪ったのか、今回のハリガンのようにプレデターの一人に勝った奴が落としていったのを拾ったものなのか。
ハリガンも途中で銃を落っことしましたが、あの銃もプレデター達に回収されてるのかもしれませんね。
また、このラストの舞台となるプレデターの宇宙船の中には、これまでプレデターが倒した種族の頭蓋骨が飾られてるんですが、人間のドクロに混じって、エイリアンみたいな形をした頭蓋骨が飾られています。
ハリガンに渡した銃といい、この頭蓋骨といい、色々と想像の余地を残してくれる小道具が多く出て来る、イカしたラストです。
前作からの変更点が概ねいい方向に感じられたり、プレデターのキャラクターがさらに掘り下げられていたりと、続編映画として申し分無い出来だと思います。監督は変わったものの、製作陣が前作と一緒だと言うのも良かったんでしょうね。