スタッフ
監督・製作・原案・脚本:ウォルター・ヒル
製作総指揮:マリオ・カサール
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー(イワン・ダンコ大尉)
ジェームズ・ベルーシ(アート・リジック刑事)
エド・オロス(ビクター・ロスタ)
ピーター・ボイル(ルー・ドネリー署長)
ローレンス・フィッシュバーン(スタッブス警部)
ジーナ・ガーション(キャット・マンゼッティ)
リチャード・ブライト(ギャラガー刑事)
(感想)
ソ連のタフガイ刑事とアメリカン刑事コンビの活躍を描いたバディ・ムービーです。
監督は、白人刑事と黒人犯罪者のコンビの活躍を描いた『48時間』のウォルター・ヒル。異色コンビアクション映画に再び挑戦したわけですね。
主演のシュワは、まるでターミネーターみたいに無表情なソ連の刑事を演じています。ですが、同じ無表情でもターミネーターのそれとはどこなく違う感じで、無表情と言うよりは仏頂面といった感じでしょうか。それに、意外にセリフも多いです。
対する、ジェームズ・ベルーシが演じるのは、典型的なアメリカの刑事といった感じのキャラクターです。でも、セリフの面白さとベルーシの技量によって、ただの典型的キャラではなく、行動を見てるだけでも面白いような愉快なキャラに仕立て上げていました。
ただ、この二人が同等に描かれるタイプのコンビ映画ではなく、あくまでもシュワが主演で、ベルーシは助演という形です。
この映画のタイプ的に、どちらかというとベルーシ演じるアメリカの刑事が主役として描かれるのが普通な気がするんですが、映画はシュワ演じるダンコを中心として話が展開していきます。多分、ダンコを演じるのがシュワじゃなかったら、リジックが主役の話になったような気がします。ただ、そうなると、刑事コンビ映画としてあまりに典型的な出来になりそうですが。
ポスターやジャケット写真で使われているシュワの仏頂面が原因か、どことなく固い映画のような印象があるんですが、見てみると意外に柔らかい出来になっています。特に、ダンコとリジックの会話はかなり面白いです。この映画に固いイメージを抱かせる原因であるダンコが、リジックとやりあえるぐらい口が達者なんですよね。
問題は、この二人の会話やジョークを、字幕が完全に伝えきれてないところでしょうか。ビデオやDVDで見た時と、テレビ放映の吹き替え版を見た時とで、結構印象が変わるんですよね。で、やっぱり、セリフの内容の分かり易い吹き替えで見た方が面白い気がします。
このダンコのセリフの多さと面白さは意外な感じがしますが、リジックの銃撃シーンでの身軽な動きもかなり意外な感じです。「シュワがアクション担当、ベルーシが会話と笑い担当」というわけではないんですね。
ただ、やっぱり会話が面白いのはどちらかと言うとベルーシの方ですし、アクションに迫力があるのは完全にシュワの方です。
映画の規模の関係で、“大暴れ”ならぬ“小暴れ”をアクションシーンで披露するシュワですが、それでもやっぱり迫力があります。使う銃器も、さすがにショットガンやらマシンガンやらは出てこないですが、代わりに44マグナムが登場します。ダーティハリーの愛銃のアレです。ハンドガンとしてはかなり巨大ですが、シュワの手にはぴったりフィットしてましたね。
また、冒頭には尻丸だしの半裸状態で殴り合いをするという、サービスショット(?)も有りです。
この冒頭の場面、他にも、大勢の半裸のマッチョが汗だくで体を鍛えているなんてシーンも出て来て、映画の始まりの場面にしては異様に濃いです(笑)。
ところでこの映画、原題は『RED HEAT』なのに、邦題は『レッドブル』です。“ブル”って何だ?(笑)
でも、意味は不明ながら、原題よりも合ってるタイトルのような気がするのはなぜだろう。