監督:トム・デイ
製作総指揮:ジャッキー・チェン
音楽:ランディ・エデルマン
出演:ジャッキー・チェン(チョン・ウェン)
オーウェン・ウィルソン(ロイ・オバノン)
ルーシー・リュー(ペペ姫)
ロジャー・ユアン(ロー・フォン)
ザンダー・バークレイ(ネイサン・ヴァン・クリーフ)
(感想)
ジャッキーのアメリカ進出作第2弾です(まあ、昔の『プロテクター』とかは除いて・笑)。前作の『ラッシュアワー』がそれはそれは楽しい映画だったので、こちらもかなり期待をしていたんですが(『ラッシュアワー』同様、今度もコンビ物だし)、どうも、面白いことは面白いんですが、何とも物足りない印象の映画でしたね。
その一番の原因はジャッキーのアクションです。ちゃんと「いかにもジャッキー」なアクションが出て来たりと、それなりに面白くはあります。スタントアクション関連が香港のジャッキー映画に比べてしょぼいのはまあ仕方が無いところでしょう。ですが、何かアクションのスピードが遅いんですよね。と言うか、テンポが悪いんです。こんなこと、今までのジャッキー映画ではほとんど感じた事のないものなので、この映画のアクションシーンにはどうにも戸惑いが多かったですね。
また、アクションシーンだけでなく、映画全体的に、展開がまったりしてます。何とも微妙なヌルさ加減が感じられるんですよね。さらに、編集もたまに違和感の感じるところが出て来たりします。
何でこんな映画になったんだろう?と思ってたんですが、この映画の監督、トム・デイの次回作『ショウタイム』を見てハッキリしました。この人、下手です(爆)。恐らく、一級のエンターテイメント映画を任せるには力不足なんだと思います。
素人の私が、ハリウッドの映画監督の力量について批判するなんてどうかとも思いますが、2作続けて期待の映画を台無しにされたとあっては怒りたくもなります。この2作も別の監督がやればもっと面白い映画になったに違いないと思うんですよねぇ。願わくば、コイツには二度と面白そうな企画に手を出さないでいただきたいものです。
それでもこの映画がクソになってないのは、ジャッキーの魅力と元々のストーリーの面白さにあるんでしょうね(あと、ジャッキーが主演以外でも、製作総指揮という立場で関わっているというのもありそうです)。中国人が主人公の西部劇なんてまさに変り種です。そして、所々で顔を出す「ジャッキーならでは」なアクションも、これがジャッキー映画ではなく、ハリウッドのカンフーアクション映画という観点で見ればもうかなりのレベルですからね。何せ、ジャッキーがアクションしてるんですから(でも、ジャッキーが主演なのにジャッキー映画ではないというのも妙な話ですが)。
共演は『アルマゲドン』や『ホーンティング』などにチョロっと出ていたオーウェン・ウィルソンですが、この映画ではジャッキーの相棒というデカい役です。最初にこの映画のジャッキーの相手役がこの人だと知った時は「なぜ?」という感じでした。でも、これまでのCG映画の脇役では気付かなかったですが、なかなかいい役者ですね。顔もハンサムですし。
コメディアンというわけではないようですが、よくコメディ映画に出演し、脚本まで書いているという才人らしいですね。ジャッキーの相手役として不足無しといった感じです。この“共演者に恵まれる”というのは最近のハリウッド進出後のジャッキーならではな点ですね。何しろ、香港でのジャッキーの共演者で私の知ってる人なんてサモ・ハンとユン・ピョウぐらいでしたからね(笑)。つまり、恵まれるようになったと言うより、ようやく共演者に私も知ってる人達が出るようになったな、という事なんですけどね。
それに、個人手的には、ジャッキーの相手役に関しては、女優、いわゆる“ジャッキーガール”が相手の映画より、若手実力派俳優やコメディアンと組んだ方が映画自体は確実に面白くなってると思いますね。