メタル・スポイラー
<SPOILER>
97年 アメリカ映画 97分

監督:キャメロン・フォン・ダック
出演:ゲイリー・デニエルズ(ロジャー・メイソン)
   メグ・フォスター
   レニー・ファイア
   ジョン・プッチ
   ジェフリー・コムズ

(あらすじ)
第2銀河宇宙の囚人を冷凍睡眠で収監する刑務所から、ロジャーは愛する娘の元へ帰るため、時間と空間を超えて宇宙船での脱出をはかる・・・。

(感想)
上のあらすじはビデオ発売元のサイトから転写したものですが、「時間と空間を超えて宇宙船での脱出をはかる」って箇所はウソです(笑)。こういう所に平気でウソストーリーを混ぜてしまえる所がB級映画界の凄いところですねぇ。「ビデオ会社の騙し攻撃をいかに見破るか」という、コン・ゲーム的な楽しさがあるのもこのジャンルの魅力の一つですね。

さて、映画の内容ですが、近未来の刑務所が舞台で、主人公のロジャーはそこから何度も脱獄してはその度にとっ捕まって帰って来るを繰り返してる男です。
なぜ何度も脱走するのかと言うと、このロジャーは無実で捕まっていて、娘の元に帰るためです。
なぜ何度も脱獄に成功するのかというと、看守がアホだからです(笑)。
では、なぜすぐにとっ捕まって刑務所に戻って来るのかというと、ロジャーも大事なところでヘマをする、詰めの甘い奴だからです。
まあ何と言うか、凄い脚本ですね。

このロジャーという男、演じてるのがゲイリー・ダニエルズにも関わらず、あまり強くないです。劇中、一度も得意の回し蹴りを放ちません。なので、アクション度はかなり低いです。
ドジな主人公とアホ看守の追っかけっこがこの映画のメインになるんですが、ゲイリーのスター性のおかげか、まあそこそこ面白く見られます(注・そんな内容ですが、コメディ演出がされてるわけではないです)。
ただ、ラストの悲劇的な展開にはグッと来るものがありましたね。スタローンの『デモリションマン』みたいに、冷凍刑に処されてたので、ロジャー自身は若いままなのに、他の人間はどんどん歳をとっているのです。それはロジャーの娘も例外ではなかったんです。
ストーリー自体は悲劇的な話なんですが、ラストは一応はハッピーエンドということになるんでしょうね。『タイタニック』のラストにちょっと近いものが感じられました。

ところで、どうでもいい話ですが、ゲイリー・ダニエルズは若顔なのに、子持ちの役が結構多いですね。