野獣教師3
<THE SUBSTITUTE 3: WINNER TAKES ALL>
99年 アメリカ映画(テレビ用) 89分

監督:ロバート・ラドラー
原案・脚本:ロイ・フランケス
      ロッコ・シモネッリ
出演:トリート・ウィリアムズ(カール・トマソン)
   ジェームズ・ブラック(ラメル)
   クラウディア・クリスティアン(アンディ)
   フランク・ゲリッシュ(エド・リンカーン)
   レベッカ・スタッブ(ニコル・スチュアート)
   デビッド・スティーブンス(トニー・ロー・ルッソ)
   リチャード・ポートナウ(ビンセント・ロー・ルッソ)
   スコット・ウィルキンソン(ビル・ブレイデン)
   マイケル・シェーン・デイビス(ジョシュ・シルバー)
   ダニー・ハンセン(ジェレミー)
   エド・キャメロン(ボー・ロビンソン)
   スペンサー・アシュビー(ウェイン・マクマード教授)
   デビッド・ジェンセン(メイシー・スチュアート)

(あらすじ)
再び傭兵稼業に戻っていたカール・トマソンだが、戦乱のコソボで活動中、戦友のメイシーを亡くしてしまう。
帰国後、メイシーの遺言に従い、形見のメダルを娘に渡しに行くカール。娘のニコルはイースタン・アトランティック大学で教授をしているのだ。
バーで会う約束をしたカールは、約束の時間にそのバーに向かうが、ちょうどそこで、ニコルがやたらガタイのいい若者共にちょっかいを出されている所に出くわした。
そのマッチョなガキ共をあっさり退けたカールは、現在ニコルが受け持つクラスにいるアメフト部の連中から、「優遇処置をしてくれない」という理由で嫌がらせを受けているという話を聞く。

後日、ニコルが何者かに襲われて入院する事態が起こる。もちろん、アメフト部の連中の仕業に違いない。そこでカールはダン・クーパーの変名を使い、ニコルの代理の教授として学校に潜り込み、犯人を探そうとする。
だが探っていくうち、アメフト部がコーチぐるみで筋肉増強剤を用い、さにらそれをマフィアと取引している事が判明していく。カールは仲間のラメル、アンディ、エドらと共にこの腐った連中の性根を叩き直してやろうとするのだった。

(感想)
今度は舞台が荒れた高校から、普通の大学に変わりました。前回はクラス全員が問題のある連中でしたが、今回はアメフト部の連中のみが問題のある奴となりました。
前作にしろ『クラス・オブ・1999』にしろ、あそこまで荒れたワルガキ共がわざわざ学校に登校しているというのがどうにも疑問だったんですが、今回の設定ではそういう疑問が起きないように改良されてましたね。学校に来ている理由も“アメフトをやる為”とハッキリしています。

まあ、それにしても、この脚本を書いた人、きっと学生時代、アメフト部員に嫌がらせをされてた過去があるんでしょうね(笑)。というような事が見ていて感じられました。
このアメフト部員達、どう見ても大学に入学できたとは思えないようなバカばっかりなんですが、受験に合格して入学したのではなく、スポーツで成績を残していた為に推薦で入学してきてるんです。だから、知能指数的には、周りの受験して入って来た、ちゃんと学ぶ気のある人達とは比べ物にならないぐらいのアホなんでしょう。
だから、当然授業について行けるはずもなく、授業中暇な彼らがやるのは、ジョークを言い合ったり、ボールを投げあったりといった、学級崩壊中の小学校の生徒並の行動だったりします。
そんなアホがなぜ退学にならないのかと言うと、学校ぐるみでアメフト部の活躍を応援しているせいなんですね。で、このアホを受け持つ教授はほぼ圧力を受ける形で、こいつらに単位をあげなきゃならない状況なわけです。
でもこういう事、実際にもありそうですよねぇ。この映画で描かれるほど酷くはないとしても。で、この映画の脚本を書いた人は、実際にそういった状況を目にしてたのかもしれないですね。

で、そんなムカつくアホ共に喝を入れてくれるのが、我らがトリート・ウィリアムズです(我ら?・笑)。『ザ・グリード』以降、すっかりヒーローが様になりましたね。さらに、前作よりも格闘アクションが少しパワーアップしてる感がありました。

今回は敵が校内にいる奴だけでなく、マフィアみたいな連中が絡んできます。そのせいで、中盤以降は「学校が舞台」「主人公が教師のフリをしてる戦いのプロ」というこのシリーズならではの設定が活かされなくなって、普通のドンパチアクションになってしまうのはちょっと残念なところでした。
さらに、カールに傭兵仲間の味方が増えて、終盤は敵のアジトで銃撃戦が始まったりと、もはや主人公が野獣教師である必要が全くない展開になってしまいます。
ただ、仲間の一人の黒人がなぜか刀を装備していたり、銃撃戦の最中に全裸のプレイメイトみたいなのがウロウロしたりといった見せ場が用意されてる辺りに、監督のB級映画魂が感じられて好印象です(笑)。