監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
出演:シルベスター・スタローン(レイ・タンゴ)
カート・ラッセル(ゲイブ・キャッシュ)
テリー・ハッチャー(キャサリン)
ジャック・パランス(イブ・ペレ)
ブライオン・ジェームズ(レカン)
ジェームズ・ホン(クアン)
マーク・アライモ(ロペス)
マイケル・J・ポラード(オーエン)
(感想)
当時流行の刑事コンビ映画ですが、大抵この手のバディムービーは、全然キャラの違う二人がコンビを組むのが普通です。で、その二人の対比が面白かったりするわけですが、この映画は直球勝負なのか変化球なのか、二人とも戦闘的なマッチョです。
一応、スタローン演じるレイ・タンゴには、スーツにメガネの知的マッチョという設定がありますが、アクションシーンでは完全に忘れられてます。
でも、このスタローンのキャラ設定自体が一つのギャグなんでしょう。よく、このタンゴ役のスタローンの出で立ちが似合わないとか言われますが、それも当然です。分かってて敢えてやってるんですから。
アクションシーンは、何と言っても主演がスタローンにカート・ラッセルですからね。レベルは滅茶苦茶高いです。そのせいか、一つのアクションシーンがやや短めなのが残念に思えるほどです。これはこれでテンポがあっていいんですが、個人的にはこの倍ぐらいの時間、二人のアクションを見ていたかったですね。
また、アクション面だけでなく、この二人の掛け合いも面白いんですよね。下手なコメディ映画よりもこの二人の会話の方が笑えるんじゃないかと思うぐらいです。お互いに「お前よりもオレの方が凄いぜ」的な事を言い張り合うみたいな感じのやりとりをずっとしてるんですけど、ストーリーが進むにつれて、台詞にはほとんど出さないものの「でもお前の事は認めてるんだぜ」みたいな雰囲気が段々と出てくる所も素敵です。こういう心境の変化があってこそのバディムービーですからね。
全編に渡って、アクションシーン、ギャグ満載の二人の会話シーンが交互に襲ってくる、大変愉快な映画です。一つ残念な点をあげるとするなら、続編が作られなかったことでしょうね。一作で終わらせるには惜しい映画です。
やっぱり、前年に『ダイハード』というフレッシュなアクション映画が登場したせいで、当時の観客にはちょっと古臭い思いが感じられてしまったのかもしれないですね。当時、ただでさえありふれていた刑事コンビ映画で、両方とも単なるタフガイマッチョという捻りの無さが響いて、続編が作られる程の人気を得られなかったのかもしれません。でも、アクション映画好きからすると、この映画のWマッチョが大暴れするパワフルな映像はかなりの魅力を持ってるんですけどね。クライマックスに登場した「地獄の4WD」も素敵でした。『ダイハード』では「おまわりさんの4DW」が登場しましたけど、あっちはただの装甲車でしたからね。こと「4DW対決」では『デッドフォール』の圧勝ですよ。