監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
製作・共同脚本:ゲイル・アン・ハード
音楽:ブラッド・フィーデル
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー(ターミネーター)
マイケル・ビーン(カイル・リース)
リンダ・ハミルトン(サラ・コナー)
ポール・ウィンフィールド(エド・トラクスラー警部補)
ランス・ヘンリクセン(ブコビッチ刑事)
アール・ボーエン(ドクター・シルバーマン)
(感想)
シュワの代表シリーズ『ターミネーター』の記念すべき第一作目です。
製作費はシリーズの中でも、比べ物にならないぐらい低いと思うんですが、面白さに関しては劣ってるわけではないというのが映画製作の面白いところです。
この一作目、何と言ってもストーリーが面白いですね。そして、シリーズ中、一番怖いです。敵となるターミネーターは、性能的には一番弱いヤツ(歴代シリーズの敵の中で)なんですが、それでもシリーズ中一番怖く感じるのは、「相対するのが人間」というのと「敵ターミネーターをシュワが演じている」というのがあると思います。この頃のシュワはゴツくて怖そうな顔をしてましたからね。怖い顔のマッチョが殺そうと追ってくるなんて、まさに悪夢です。
それに、今でこそ珍しくないですが、公開当時では「銃で撃っても死なない敵」自体あんまりいなかったでしょうから、その設定だけでも怖かったでしょうね。
怖いと言えば、ラストの骨格だけの姿でもまだ迫ってくるターミネーターの姿を最初に見た時は本気で怖かったですね。これはもう、ホラー映画並の恐怖度です。
しかも、バラバラになっても上半身だけで這ってくるというこの根性は凄いですね。ロボコップも少しは見習ってほしいものです。シリーズの敵ターミネーターの中でも、性能的には一番弱い、この『1』のシュワミネーターが一番しぶとく感じられますよね(まあ、主人公側の戦闘力も『1』が最弱なんですけどね)。
何やら、当初はターミネーター役にはランス・ヘンリクセンを予定していたらしいですね。確かに、この人のターミネーターも怖そう(と言うか気持ち悪そう・笑)ですが、やっぱり、シュワのターミネーターほどのインパクトは出なかったでしょうね。
怖い理由で挙げた「相対するのが人間」ですが、人間の中でも見た感じ、相手がサイボーグだろうと勝てそうな人だっています(セガールとか・笑)。
ですが、この映画でサイボーグと一人で戦うのがマイケル・ビーンですからね。もう、見た目からしてすでにシュワに歯が立たなそうです。
未来の為、そして実は愛する人の為、一人で必死に戦うカイルの姿はカッコいいんですが、演じるマイケル・ビーンは、どうもアクション映画が似合わない感じがしてしょうがなかったです。アクション映画でしか見たことがない人なんですけどね。
ストーリーに関してですが、序盤の、サラが自分と同姓同名の人が殺されてるのを知るあたりのサスペンスシーンが面白いですね。いきなりサラの前にターミネーターが現われるのではなく、こういう風に、間に1クッション入ってるのがいいですね。見てる側も、サラと一緒に、このとんでもない事件に巻き込まれてるような気分になってきます。
その後のサラを連れたカイルとターミネーターの追跡戦は迫力があっていいんですが、それを振り切った後、二人でイチャイチャする場面はちっとテンション下がりますねぇ。まあ、ストーリー上外せないシーンではあるんですが・・・・・・。
ところで、この映画のアクションシーンは、主演俳優の動きによるアクションというのがほとんど無いですよね。基本的には銃を撃つだけとか火炎瓶を投げるだけとか、単純なアクションばかりです。それでも、アクションシーンには迫力が感じられるというのが凄いですね。やっぱり、キャメロンのアクションシーンの演出は上手いです。
もちろん、“ただ立って銃をぶっ放してるだけでも絵になる男”シュワルツェネツガーを使ってる、というのもありますけどね。