沈黙の陰謀
<THE PATRIOT>
98年 アメリカ映画 91分

監督:ディーン・セムラー
共同製作:スティーブン・セガール
     ジュリアス・R・ナッソ
原案・脚本:M・サスマン
出演:スティーブン・セガール(ウェスリー・マクラーレン)
   ゲイラード・サーティン(フロイド・チザム)
   L・Q・ジョーンズ(フランク)
   カミーラ・ベル(ホリー・マクラーレン)
   ホイットニー・イエロー・ローブ(アン)
   サイラス・ウェイア・ミッチェル(ボーグ)
   ダン・ビーン(リチャード・ボック医師)
   デイモン・コラゾ(ジョンソン中尉)

(あらすじ)
静かなモンタナの田舎町で、武装した過激派グループとFBIが一触即発の状態にあるという大事件が発生していた。だが事件は、リーダーのフロイドの投降という形で終結したかにみえた。しかしフロイドは、政府が極秘に開発していた細菌兵器を服用していたのだ。自らが媒介となってウイルスを広め、後ですでに手に入れてあるワクチンを打とうと考えていたのだ。
だが、ウイルスは突然変異をしており、ワクチンが効かなくなっていたのだ!
ウイルスは町中に広まり、全ての町人が感染するという大惨事となってしまうのだった。

(感想)
『沈黙の要塞』『沈黙の断崖』に続く、セガールエコロジー映画第3弾です。が、アメリカでは劇場公開されずに、ビデオ直行になってしまいました。
この映画、セガールが全編を通して2,3回程しか暴れない為、アクション映画かと思って見た人にはすこぶる評判が悪いです。さらに、空気感染するウイルスに、町人を始め、過激派グループの面々も次々感染していくなか、騒ぎの渦中にいるセガールがピンピンして動き回っている事に、劇中の誰一人ツッコミを入れないあたり、「セガール映画」がどういうものか知らない人にはかなりキツイところでしょう。
ただ、ピンピンしてるのがセガール一人なら納得出来るんですが、中盤から出てきてセガールと一緒にワクチン製作の手伝いをする女も全然ウイルスが効いた様子がないんです。理由は明かされるものの、彼女にウイルスが効いてない事に誰も疑問を持たないのはちょっとおかしいですね。
いや、セガール本人がウイルスにやられてないのはいいんです。多分、登場人物達も「あいつは無敵だからウイルスも平気なんだろう」ぐらいのことを思ってるんでしょうから(笑)。
まあ、そんな細かい所は置いておきましょう(細かくないか)。それよりも、この映画が言いたいことは「自然は素晴らしい」という事です。粗よりもそっちの方に目を向けてやりましょう。
ちなみに、私はこの映画、大好きです。セガールが自然の中でエコロジーについて語ってるってだけで素晴らしいと思ってしまいます。人の作り出した殺人ウイルス。これに打ち勝つのが、自然の作り出した野草というオチも最高ですね。

ちなみに、2002年5月10日に金曜ロードショーにてテレビ放映された際、それがなんと、劇場公開時やビデオ版ではカットされているシーンの入った完全版での放映だったので、全国のセガールファンがテレビの前で腰を抜かすという現象が起こりました。
その追加されたシーンとは、細菌兵器に対しても無敵と思われていたセガールが、ラスト付近で突如バッタリ倒れるという、とても幻想的なシーンでした。
娘がその場で集めた薬草のおかげで復活することになるんですが、まあ、カットして正解とも言えるシーンではありますね。
あと、序盤の方にも、セガールのアクションシーンが追加されてました。ただでさえ少ないアクションシーンを切っていたとは意外でしたね。
DVD版は、ビデオ版と尺数が一緒なので、これも完全版ではないみたいなんですよね。ビデオに録っておけばよかった・・・(日本テレビもやる前に教えてくれればいいのに)。