監督:デビッド・ワース
出演:ウィリアム・マクナマラ(クレイ・ピアース)
ディナ・メイヤー(ケイト)
ロイ・シャイダー(ラ・ノバ)
ヘンリー・ロリンズ(スティーブ・ゲインズ)
バリー・リンチ(サイモン)
(感想)
主人公の記憶がある時を境にあやふやになっていく。多分、『メメント』の設定を少し頂いてるんでしょうが、話の展開は普通のサスペンス・アクションのそれです。ただ、無駄の無い作りではあるので、B級映画の中でも完成度の高い部類の映画です。と言うか、小から中ヒットクラスのA級映画並とも言えるかもしれません。
なぜ、主人公の記憶が消えているのかというと、脳内の記憶を司る部分をシャットアウトしてしまう薬を盛られているからなんです。その薬が、もともとはトラウマの治療薬として開発されたものの失敗作というのが面白いです。何だか、実際にもこういう薬がありそうな気がしてしまいます。
クレジットのトップはロイ・シャイダーですが、主人公はウィリアム・マクナマラです。ロイは主人公クレイの上司を演じてるんですが、実はこいつが全ての元凶だったりします(この事は冒頭で示されます)。
そして、クレイの元妻、ケイト役は『スターシップ・トゥルーパーズ』『D−TOX』のディナ・メイヤーですが、その2作と髪の色と髪型が違うので、まるで別人のように見えます。ちなみに、私はこの『レッド・ブラスト』版が好みです(そんな事は誰も聞いてない)。
アクションシーンでは、いきなりジョン・ウータッチな描写(スローモーションで振り向きながら銃を撃つ)が出てきたり、主人公が2階建て分ぐらいの高さから飛び降りても、その後すぐに元気に走り回ったりと、B級魂に溢れています。もちろん、逃げる主人公のすぐ後ろで発砲されてるのに、主人公にはかすりもしません。さらに、ラストには『ロング・キス・グッドナイト』の映像が流用されてます(笑)。でも、この映画を見てない人にとっては、流用シーンだとは気付かないぐらい自然に入ってました。