トゥームレイダー
<TOMB RAIDER>
01年 アメリカ映画 101分

監督・脚色:サイモン・ウエスト
出演:アンジェリーナ・ジョリー(ララ・クロアト)
   イアン・グレン(パウエル)
   ダニエル・クレイグ(アレックス)
   ノア・テイラー(ブライス)
   クリス・バリー(ヒラリー)
   ジュリアン・リンドツット(ピムズ)
   リチャード・ジョンソン(イルミナーティの長)
   ジョン・ボイト(クロフト卿)

(あらすじ)
5000年に一度の惑星直列によって、強力な力を発揮する古代の秘宝ホーリー・トライアングルを巡って、最強のトレジャー・ハンターのララ・クロフトと謎の秘密結社イルミナーティが激しい争奪戦を繰り広げる。

(感想)
有名アクションゲームを映画化したものですが、ゲームなりコミックなりを映画化したものは、以前は微妙な出来のものが多かったのに、最近はどれも良く出来てますね。VFX技術の進歩のおかげなんでしょうか。
しかもこの映画、「女性主演の映画のオープニング成績歴代ナンバー1ヒット」なんて記録を出してしまいました。やっぱり、レイティングのあまり高くないアクション映画という事で、普通の“女性主演映画”よりも間口が広かったのが原因なんでしょうか。
それに、まあ何といっても、ヒーローものアクション映画としてとてもよく出来てる映画でしたからね。監督が傑作アクション『コン・エアー』を撮った男なので、アクションシーンの演出はかなり快調になってます。
しかも、敵にロボットやら(←これは実際は“敵”ではないんですが)動く石像、さらに超巨大サイズの石像なんてのが襲ってきたりするんですからたまらないです。
そしてやっぱり、そんな敵と相対する主人公が“女性である”というのも珍しくていいですね。それも、ただ単に珍しくていいだけでなく、主人公を演じるアンジェリーナ・ジョリーがアクションヒーローとして申し分無い存在感を持っているんです。
あと、主人公のララ・クロフトのキャラクター自体もとっても良かったですね。戦闘中、命の危険が迫った時などに嬉しそうに笑う所も、ララがいかに“危険が好きなのか”というのがよく伝わってきます。その笑い方も“不敵な笑み”とかじゃなくて、本当に嬉しそうに笑ってる所がいいんですよね。
トレジャー・ハンターとして活躍してる時はそんなですが、普段は巨大な屋敷に住むお嬢様であるという点は、『バットマン』のブルース・ウェインっぽいです。ですが、ブルースと違って、ララはどこに行ってもエラそうです。屋敷にいるしもべの二人(執事と謎のコンピューターおたく)を偉そうにこき使ったりしてますからね。
敵の襲撃で屋敷がメチャメチャにされた際、二人が一生懸命床に散らばったガラスの破片とかを掃除してるのに、ララは何もしないで見てるという(笑)。しかも、最後までこの二人に対して「実は感謝してる」みたいな素振りも全然見せないんですよね。
でも、この辺の“お嬢様演技”が嫌味に見えないのが不思議です。むしろ私も掃除を手伝いたいぐらいです(笑)。
そんな常に強そうで偉そうなララですが、昔行方不明となった父の話になるととたんに弱さを見せるという、完全無欠のヒーローではないのが面白いですね。

ところで、父親役がアンジェリーナ・ジョリーの実の父親のジョン・ボイドなんですけど、親子共に俳優という方は割といるものの、映画の中で親子役で出るのってあんまり見ない気がするんで、珍しいケースでしたね。
この映画、派手なアクションシーンが4回出てきますが、中でも中盤の遺跡でのアクションは凄かったですね。上に例に出した“巨大石像が襲ってくる”のがここなんですが、いやぁ、もう、凄い迫力でした。もう、このシーンだけでこの映画に満点をあげてもいいと思うぐらい凄いアクションシーンでした。
また、冒頭に出て来るロボットとの戦闘シーンは「MTVムービー・アワード」で“格闘シーン賞”にノミネートされてましたね(ちなみに、この年の格闘シーン賞受賞は『ラッシュアワー2』。そりゃ、さすがにジャッキーには勝てないですね・笑)。
正直、ストーリーを進ませるシーンはあんまり面白くないんですが、4回挿入される派手なアクションシーンはどれもいい出来なので、全体的には「よく出来たアクション映画」と言えると思います。