監督:ルイ・レテリエ
アクション監督:コーリー・ユン
製作・共同脚本:リュック・ベッソン
出演:ジェイソン・ステイサム(フランク・マーティン)
スー・チー(ライ)
マット・シュルツ(ウォール・ストリート)
フランソワ・ベルレアン(タルコーニ警部)
リック・ヤン(ミスター・クワイ)
ダグ・ランド(リーダー)
ディディエ・サン・ムラン(ボス)
ヴァンサン・ネメス(パイロット)
ジャン=イヴ・ビリアン(ギャングのボス)
アドリアン・デアルネル(ジャーナリスト)
(感想)
公開当時は「リュック・ベッソン製作・脚本の映画」というのがウリだったような記憶があるのですが、今となっては、「アクションスター、ジェイソン・ステイサム伝説第一章」みたいな立場になりましたね。
これまでは『ザ・ワン』や『ゴースト・オブ・マーズ』の脇役としてお馴染みでしたが、この映画に初主演し、一気にアクション俳優としての素質を開花させましたね。筋肉のムキムキ具合も素晴らしいですし、アクションシーンでの動き、表情など、全てにおいて申し分無しですよ。最初にこの映画を見た時は、「こんなに凄い奴だったのか!」とかなり驚いたものでした。
映画の内容も、もう完全にアクションシーンがメインで、ストーリーは二の次みたいな感じのものです。アクション監督のコリー・ユンが、ルイ・レテリエと一緒に監督としてクレジットされてるところを見ても、メインがアクション描写にあるという事がよく分かります。
銃撃、爆破、カーチェイスと、迫力アクションが次々出て来るんですが、中でも力が入れられてるのがカンフーアクションです。動きはヴァン・ダムやゲイリー・ダニエルズのとは違う、香港映画風の振り付けとなっています。なので、時折「スローなジャッキーアクション」に見える事もあったりするんですが(笑)。
でも、ジャッキーはあまりやらないような、「銃の背面キャッチ」だとか「開脚ジャンプ」と言う、ステイサムならではと思えるような動きもちゃんと出て来るのがいいですね。
こういった、アクションシーンの質がとても高いため、物語にあまり力が入れられていない点も、「マイナス要素だ」とか思えないんですよね。むしろ、贅肉を削ぎ落としたかのような、全体的にスマートな印象が感じられます。「アクションのみで勝負!」みたいな潔さがあっていいですね。
特に、終盤の、上半身裸のオイルまみれでマッチョな連中を次々回し蹴り倒すシーンなんか最高でしたね。とても、序盤ではスーツ姿でクールに車を乗り回していたのと同じ男の仕事とは思えないです(笑)。このギャップも面白い点の一つですかね。
そもそも、中盤以降はもう、フランクの職業(運び屋)が完全に忘れ去られて、ひたすら筋肉&カンフーな場面が続きましたからね。でも、こういうのが許される映画っていいなと思いますねぇ。