監督・アンドリュー・デイビス
出演:スティーブン・セガール(ケイシー・ライバック)
トミー・リー・ジョーンズ(ストラニクス)
ゲイリー・ビジー(クリル中佐)
エリカ・エレニアック(ジョーダン・テート)
レイモンド・クルツ(ラミレス)
コーム・ミーニー(ドーマー)
(感想)
ミスター・ごんぶとこと、スティーブン・セガールの出世作です。舞台限定型のアクションで、要するに『ダイハード』の亜流の一つなんですが、戦艦を舞台とした事で、結局、『ダイハード3』の、船が舞台という初期の脚本を書き直させるハメとなりました。
最近では似た内容の映画が続けて公開されるって事も珍しくないんですけどねえ。主役がセガールとブルース・ウィリスでは、似た舞台のアクションと言えど、かなり違った出来になったと思うんで、ぜひ競作してほしかったですね。
セガール映画は、主役が強すぎてハラハラしないとよく言われますが、その分、爽快感が高いです。屈強のテロ軍団をあっさり撃退していく様はまさにアクションヒーローですね。また、その倒し方もいかにも戦闘のプロといった感じで、見てて思わず唸ってしまいます。実際のプロがこういう行動をとるのかどうかは分からないですが、映画的にはセガールの行動はとてもリアルに見えます。
また、この映画はセガールの一人舞台ではなく、後半はチームでテロに挑んでいくというところは、逆に今見ると新鮮だったりしますね。
今見ると新鮮と言えば、テロリストのリーダーがトミー・リー・ジョーンズだという点ですよ。顔の造り的には悪役が似合いそうなんですが、有名な所だとこの映画ぐらいですよね。終盤、主砲発射の轟音を近くで聞いてしまったショックで、ほぼ頭がイカれ状態になりますが、そのときの狂った演技は最高でしたね。こういうぶっ飛んだ演技は悪役じゃないと中々見せる機会が無いですからね。さらに、ラストではセガールとナイフバトルまで繰り広げる事となります。勿論、相手が悪いせいで気の毒な事になるんですが、そのやられっぷりといい、後のセガール映画に出てくる悪役の中でもかなりの印象を残す事となりました。
そう言えば、トミー氏はこの頃、よくアンドリュー・デイビス監督作に出てましたね。と言っても『ザ・パッケージ』と『逃亡者』の計3作ですけど。
『ザ・パッケージ』はあまり評判になってないですが(見た事あるんですが、さっぱり覚えてません)、この『沈黙の戦艦』でブレイクし、次の『逃亡者』でアカデミー助演男優賞を受賞。その後、彼のキャリアは上り調子となりました。
そうそう、相変わらずの憎々しい悪役を演じた、ゲイリー・ビジーも忘れちゃいけません。しかも見るもおぞましい女装姿まで披露します。その悪夢のような姿は『デッドフォール』のカート・ラッセルに匹敵するでしょう(でも、あっちは結構美脚でしたけどね・笑)。