監督:ミック・ロジャース
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム(リュック)
マイケル・J・ホワイト(SETH)
ビル・ゴールドバーグ
(感想)
『ユニバーサル・ソルジャー』の続編ですが、前作からちゃんと辻褄のあった続編なのかはよく分からないです。と言うのも、前作との間にテレビシリーズだかテレビ映画だかの続編(ヴァン・ダムの出てないやつ)が2作も存在するからです。『U』の方は以前見たんですが、それは『1』から繋がりのある続編だったような気がします(記憶が曖昧)。
でも、この『ザ・リターン』は、続編と言っても、ほとんど別の映画みたいな感じになってるんですよね。まあ、別に前作までの知識が必要なタイプの映画じゃないので、アクション新作の一本だと思っても差し支えないと思いますが。
前回はロボコップとターミネーターを混ぜたような設定だったヴァン・ダムのキャラクターも、今回は普通の人として登場(この辺は、逆に前作を見てると戸惑う)。その代わりに敵側は前作のUS(ユニバーサルソルジャー)よりもパワーアップされているというから、壮絶な死闘を予想させる、いい設定ではありますね。
前半は閉鎖された空間(研究所)内での攻防がメインになっていて、この、「主人公の方が弱い設定」のおかげで、まるで『ダイハード』のような緊張感があります。ただ、攻撃力・防御力には劣っていても、身体能力とか体術なんかはリュックの方が勝っているようなので、敵一般兵士にはあまり苦戦するようなことはないです。そこは、リュックを演じるのがヴァン・ダムという事で、見る人の期待に応えた演出と言えるでしょうね。
アクションシーン以外では、前作同様、勝ち気な女レポーターとのからみがあるんですが、今回の女レポーターは勝ち気と言うよりも、アホに近いです。まるで3歳児のわがままのような戯れ言を連発し、見てる人をげんなりさせてくれます。
この映画最大の見所は、アクション映画界のニューホープ、マイケル・J・ホワイトが敵として登場するところでしょう(あっと言う間に消えてしまいましたが)。
ただでさえ強いのに、設定でも「普通のUSをさらにバージョンアップした、スーパーUS」という、まさにヴァン・ダム映画史上、最強の敵。リュックが攻撃を食らう度に、「ボォン!」と効果音がなって、リュックも遠くまで吹っ飛んだりします。例えるなら、アクションゲームで、「こっちは3発食らったらやられるのに、10発当てないと勝てない」クラスの強敵と戦ってるみたいな緊張感があります。
普通に考えたら、こんな相手に勝てっこないんですが、このラストバトル時、リュックは娘を人質に取られてるんです。リュックにとっては、絶対負けるわけにはいかない戦いなわけです(前作のラストもそんな感じだったな)。視覚的には割りと地味目な戦いなんですけど、そういった事情を汲み取って見ると、とても壮絶な戦いに見える気がしますね。