監督・脚本:ジャン=ポール・サロメ
出演:ソフィー・マルソー(リザ)
フレデリック・ディフェンタール(マルタン)
ミシェル・セロー(ヴェルラック刑事)
ジュリー・クリスティ(グレンダ・スペンサー博士)
美術館の正面のアパートに住んでいるリザと、最近知り合ったばかりの電気技師マルタンは、アパートと美術館が地下で繋がっている事を発見し、夜中の美術館に忍び込んでみた。
だが、例のミイラの所に来たリザは、何とミイラの霊に憑依されてしまうのだった!
そして、ルーブル美術館ではこの日以来、夜な夜な謎の怪人が出没するようになり、リザの方も「見るからに呪われてます」と言わんばかりの奇怪な行動をとり始めるのだった。
マルタンは、美術館の警備の為に雇われた老刑事や、エジプト考古学の教授達と協力してリザの呪いを解こうと奮闘するのだった。
(感想)
ルーブル美術館を舞台とした、おフランス製のVFXホラー映画です。
オカルト&都市伝説チックな物語なんですが、あんまりホラー映画っぽいような感じがありませんでしたね。どちらかと言うと“怪奇ミステリー”といった雰囲気の映画で、「怖いことが起こっている様」よりも「事件の謎を解こうとする様」の方がメインに描かれているようです。
見る前は怖い映画なのかと思っていたんで、「あれ?なんか意外に軽い感じの映画だな」とか思ったんですけど、これはこれで面白い映画でしたね。
「ルーブル美術館が舞台のオカルト」なんていうと、もっとしっとりとした展開になりそうなイメージがあったんですが、映画のテンポは全体的に早めで、「見るからにCGのゴーストが元気よく飛び回る」なんてシーンが出てきても違和感が感じられないぐらいでした。
また、登場人物のほとんどが基本的に明るい人物で、会話シーンもいやに軽妙です。
こういった見る前の想像と違う点に、「思ってた内容と違うからつまらない」ではなく「思ってた展開と違くて興味深い」というような事を思いましたね。きっと、「娯楽怪奇ミステリー」としてしっかり作られてるせいなんでしょう。
ちなみに、マントとマスク姿で夜の美術館を徘徊する“ルーブルの怪人”の正体は、ソフィー・マルソー演じるヒロインのリザが呪いのせいでやってるものなんですが(怪人の正体は劇中、割とすぐに明かされます)、普通の人は、この怪人の目を見ただけで頭がおかしくなってしまいます。
ですが、唯一人、怪人の目を見ても平気な人がいました。それは、リザと恋人になりかけていたエミリアン、、、ではなくて、マルタンです。何で大丈夫なのかと言うと、「愛の力」があるからなんだそうです。
いやぁ、さすが芸術とフレンチキッスの国フランスの映画ですね。細かい設定もこジャレてます。