ザ・キャッチャー
<THE CATCHER>
98年 アメリカ映画 77分

監督・製作:イベット・ホフマン
      ガイ・クロフォード
出演:デビッド・ヘブナー(ウォーカー)
   モニク・パレント(テリー・ミッチェル)
   ジョー・エステベス(フランク)
   シーン・ディリングハム(用務員カール)
   ジェームズ・パターソン(レッドコーチ)
   レスリー・ギャレット(ベス)
   ポール・モンクリフ(ビリー)
   ニック・ムーア(タイロン)
   ハーレイ・ハーキンス(アンソニー)
   ジェフ・ソレンソン(ウェイン)
   マイク・ケップル(ホウィー)

(あらすじ)
野球をやっている息子をスパルタ教育で鍛えている親父フランク。だが、その理不尽な厳しさにキレた息子は、バットで父親を撲殺する。
それから数年後。あるマイナーリーグの球団が不振にあえいでいた。そこで、オーナーの考えで、チームの不振解消のため、役立たずの選手をリストラする事となった。選手達にその方針を告げるのと、誰をクビにするのかを発表する為にテリーという女がチームに派遣される。
試合も終わり、選手のほとんどが帰宅した夜の球場で、パソコンに表示されるデータからリストラ者を選出するテリー。そこで、捕手のウォーカーがリストラ決定となる。
一方、何故か球場に残っている数人の選手達が、キャッチャーマスクを被った謎の殺人鬼に密かに惨殺され始めていた。そして、その「何故か球場に残ってる選手」の中には、リストラの対象となったウォーカーも含まれていた。果たして、殺人鬼の正体は逆恨みをしたウォーカーなのか?

(感想)
「大リーグは史上最悪のシーズンを迎えた!」みたいなキャッチコピーがビデオパッケージに書いてあったと思うんですが、出て来たのはメジャーではなく、マイナーリーグの方でした。しかも、試合中にキャッチャーが選手を殺しまくるような映画かと思ったら、夜中の球場で地味に一人一人殺して行くという、『13金』の亜流みたいな内容でした。
まあ、例え『13金』の亜流だろうが、その手の映画として面白ければ問題はありません。ですが、この映画には問題がありました。そう。つまらないんです(笑)。

実は、リストラ勧告を受けたウォーカーという男が、謎の殺人鬼の正体らしいという風な描かれ方を終盤までされます。何しろ、この殺人鬼はウォーカーが着てるのと同じユニフォームを着ているんですから(背中に“ウォーカー”とアルファベットで書いてある)、ウォーカー=殺人鬼と考えるのが普通です。 ですが、これが実は殺人鬼はジョニーだったんです。驚きのどんでん返し!(笑)
ちなみにジョニーとは、父親をバットで殴り殺して逮捕された男で、逮捕の際「また戻ってくるぜ」と言ったとか言わないとかで、この辺では都市伝説の一種として語り種となっている人物なのです。オープニングで描かれたスパルタ親父の撲殺シーンで、父親を殺しているのがジョニーなわけですが、この時点ではコイツの名前が明かされていなかったんです。
この映画のストーリー、「観客に殺人鬼の正体を誤認させる」という点“だけ”は良かったんですけどね。もう、それ以外のストーリー展開のつまらないこと。
殺人鬼のキャラクターにも面白みが感じられないですしね。せっかく、外見はキャッチャーの格好で、舞台が野球場なんですから、もっとそれっぽいキャラクター&ストーリー展開に出来なかったんだろうか。恐らく、『ザ・キャッチャー』という殺人鬼物映画と聞いて、大方の人が想像する内容ではないストーリー展開でしたからね(まさか、「そう思って敢えて外した」んじゃないだろうな)。

ちなみに、スパルタ親父を演じているジョー・エステベスという俳優、実はマーティン・シーンの双子の兄弟なのだとか。いいのか、そんな血筋の人がこんな映画に出て。まあ、もともと『TATARI 02』とか『サイボーグ・ウェポン』なんてタイトルの映画に出てるような人らしいですが。