チャイルド・プレイ
<CHILD'S PLAY>
88年 アメリカ映画 88分

監督・脚本:トム・ホランド
製作:デビッド・ガーシュナー
原案・脚本:ドン・マンシーニ
出演:キャサリン・ヒックス(カレン・バークレイ)
   クリス・サランドン(マイク・ノリス刑事)
   アレックス・ヴィンセント(アンディ・バークレイ)
   ブラッド・ドゥーリフ(チャールズ・リー・レイ/チャッキーの声)
   ダイナ・マノフ(マギー・パターソン)
   トミー・スワードロー(ジャック・サントス)
   ジャック・コーヴィン(ドクター・アルデモア)

(あらすじ)
子供に大人気のグッドガイが人形になった。6歳児並の身長を持ち、付属の電池を入れると数種類の言葉を喋ってくれるという、実にクールな人形だ。だが、100ドルもする高価なオモチャで、貧乏人はおいそれと買う事は出来ない。
シングルマザーのカレンは、一人息子のアンディの誕生日プレゼントに是非買ってあげたいと思っていたが、いかんせん、高価過ぎて手が出ないでいた。そんな折、怪しい行商人が半値以下で売り歩いていると知り、慌てて購入する。
だが、そのグッドガイ人形はただの人形ではなかった。何と、殺人鬼の魂が乗り移っている恐怖のドールだったのだ!

(感想)
子供用の可愛らしい人形が、凄い形相になって動き回って人を殺す、というビジュアルが何とも不気味で恐ろしい映画です。
何故人を襲うのかと言うと、殺人鬼の魂が乗り移っているからです。日本で人形が動く時は呪いが背後に絡んでいる場合が主ですが、さすが殺人鬼大国アメリカだけあって、人形の動く理由も殺人衝動だったりするんですね。
なので、内容は「殺人鬼が人を殺しまくる」というスラッシャー映画みたいになってるわけですが(そもそも、「個性的な殺人鬼の出るスラッシャー映画」として企画された映画のような気がします)、やはり、殺人鬼が怪人とか狂人ではなく、“人形”だという点に、この映画ならではの面白さが出ていましたね。
そのビジュアルの特異さはもちろんの事、普段は普通の人形として子供の側にいるのが、急に殺人鬼として活動し始める、というのは面白くも怖い点です。犠牲者が、「実際に襲われるまで危険に気付かない」という状況になるわけですからね。ですが、見てる方には人形が危険だという事が分かっている。という事で、他の映画での「殺人鬼の奇襲攻撃」とはまた違う恐怖があるわけです。
その一方、正体さえ分かってしまえば、普通の殺人鬼よりも脅威度が下がってしまいますね。何しろ人形ですから、一対一での戦いなら人間の方が有利でしょうからね。
ですが、当然、「人形に襲われてる」と言っても誰も信じてくれないので、他の人に助けを求めにくいというのが厄介な所ですね。実際、この映画の登場人物達も、人形が動くという事を信じるのに、「まず一度襲われる」というのを経て、ようやく信じるようになっていくんです。

「人形が殺人鬼」という奇抜なアイデアが受け、順調に続編が作られていく人気シリーズとなりましたが、最近はお笑いの方面に向かい始めました。『13金』にしろ『エルム街』にしろ、続編に笑いの要素が入ってくるのはこの手の映画の宿命みたいなものですが、このシリーズに関してはむしろ必然だったのではと思えるぐらいにチャッキーとコメディの相性が良かったですね。この1作目の笑い無しで襲ってくるチャッキーもこれはこれで怖いものがありましたが、今見ると、どうも「おとなし過ぎて何か物足りない」という印象もあったりするんですよね・・・(笑)。