監督:スティーブン・ヘレク
出演:スコット・グライムズ(ブラッド・ブラウン)
ビリー・グリーン・ブッシュ(ジェイ・ブラウン)
ディー・ウォーレス=ストーン(ヘレン・ブラウン)
ナディーン・ヴァン・ダー・ヴェルデ(エイプリル・ブラウン)
ドン・キース・オッパー(チャーリー)
テレンス・マン(ジョニー・スティール)
M・エメット・ウォルシュ (ハーブ)
リン・シェイ(サル)
ビリー・ゼイン(スティーブ)
イーサン・フィリップス(ジェフ)
ジェレミー・ローレンス(牧師)
(感想)
80年代の映画の特撮を見ると妙に懐かしい気がするのはなぜなんでしょう。やっぱり、私が映画を見るようになった頃にテレビでやってたのが80年代の映画だったのが原因なんでしょうかね。
この『クリッター』は、制作が80年代のど真ん中というB級SFホラー・コメディです。主な舞台は田舎町なんですが、宇宙船の飛来するシーンがあったり、冒頭には宇宙のシーンが出てきたり、“懐かしい”特撮シーンが結構出てきました。
怪物のクリッターは最初はとっても小さい、毛玉みたいなやつなんですが、何かを食べる毎にどんどんと巨大化していきます。さらに、言葉を話す知能があり(人間と会話する事は出来ないみたいですが)、外見はモンスターですが、実際はれっきとした宇宙人なんですね。地球に来たのも、ちゃんと宇宙船を操縦してきたんですから、ああ見えて知的な宇宙人のようです。
この、クリッター共に襲われるブラウン一家は、父親と母親、高校生ぐらいの娘と、小学生ぐらいの息子の4人家族です。実は、この中で一番活躍するのが、息子のブラッドだったりします。本来は一番メインで活躍しなきゃいけないはずの父親は、最初の襲撃で早々に負傷し、ほとんど役に立ちません(笑)。
この手の映画では、その襲ってくる対象に詳しい知識のある少年が出てくる場合がありますが、このブラッド少年は別に宇宙怪人に詳しいというわけではありません。その代わり、機転と行動力に優れ、ポケットには常に特大の爆竹を入れているという、ナイスな少年です。クリッターの襲撃で家族に危機が迫ったときも、うまく機転を利かせて窮地から救ったりします。
クリッターを追ってきたバウンティ・ハンターの二人は、誰にでも化けられるという特殊能力を持っていて、最初の変身シーンでは、『レイダース』のラストの「人の顔が溶ける」特撮を逆回しにしたような感じで、顔に肉がついていきます。ここはそこそこ気持ちの悪いシーンですが、同時にこれが劇中最も気持ち悪いシーンでもあります。
ちなみに、このバウンティ・ハンターの二人が行く先々で言うセリフ「クリッターはどこだ」は一時期、私のまわりで流行語になってました(実にどうでもいい話)。
この映画、モンスター・ホラーの形をとっていますが、劇中では2人しか死にません。子供が主役なところといい、一般向け(子供向け?)という事で制作されたみたいですね。
笑いを誘うシーンも所々で出てくるんですが、このコメディパートは個人的に結構笑えるものがありましたね。例えば、ブラッド少年が、クリッターに襲われている姉を助ける為に、小型の爆竹をクリッターに放るんですが、クリッターはこれを食べてしまいます。「これで、クリッターは爆発して砕け散るのかな?」と思ったら、「ボウン!」と音がして一瞬体が膨れるだけで終わってしまいます。ですが、その後口から煙を「ぷはぁ〜!」と吐き出したかと思うとバッタリ倒れてしまいます。この絶妙な外し具合がおかしくてたまらなかったですね。
ちなみに、この映画で犠牲となる二人のうちの一人が、なぜかビリー・ゼインです。姉の恋人役で登場し、見るからに軟派そうな青年役を見事に演じていました。
さらに、実は3作目にはディカプリオが出ていたりするんですが、もし『2』か『4』にケイト・ウィンスレットが出てたりしたら面白い事になったんですけどね。