クリッター2
<CRITTERS 2: THE MAIN COURSE>
88年 アメリカ映画 87分

監督・共同脚本:ミック・ギャリス
共同脚本:デビット・トゥーヒー
撮影:ラッセル・カーペンター
出演:スコット・グライムズ(ブラッド・ブラウン)
   ドン・オッパー(チャーリー)
   テレンス・マン(アグ)
   リアーヌ・カーティス(ミーガン・モーガン)
   バリー・カービン(ハーブ)
   トム・ホッジス(ウェスリー)
   シンシア・ギャリス(ザンティ)
   リン・シェイ(サル)
   ダグラス・ロウ(クイグレー)
   リンドセイ・パーカー(シンディ)
   サム・アンダーソン(ミスター・モーガン)

(あらすじ)
ブラウン邸を襲撃したクリッター達は、円盤ごと爆破され、全滅したものと思われていた。だが、実は卵を残していたのだ!
事件から2年後。グローバーズ・ベンドの町で復活祭が開かれる日、ついにクリッター達が卵から孵った!その数は、前回の襲撃の時とは比べ物にならないほどだった。
だが、バウンティ・ハンターのアグとリー、そして仲間に加わったチャーリーの3人も再び町に戻ってきていたのだ!

(感想)
前作では襲われるのが家一軒のみと、小規模の襲撃だったクリッターですが、今作では、その数も倍以上になり、襲うところも町全体と大幅のパワーアップをしています。
ただ、製作資金自体はどうも前作とそんなに変わっていないらしく、スケールが広がった分、余計に低予算という事が感じられる映画になったのは惜しいところです。

監督&共同脚本のミック・ギャリスは、『シャイニング』『ザ・スタンド』と、テレビ版のスティーブン・キング作品の監督をしている人で、もう一人脚本を担当しているデビッド・トゥーヒーは、後に『逃亡者』『ウォーターワールド』などの大作映画の共同脚本を務め、『ピッチ・ブラック』『ビロウ』の監督をする事になる才人です。なのに、どうもこの『クリッター2』には雑な点が見受けられるのはなぜなんでしょう。クリッターの設定も前作とちょっと違う感じなんですが・・・。食べても全然デカくならないし、必殺、毒針飛ばしもあまり使わなくなってしまったし・・・。まあ、低予算映画なので、こういうところはあんまり突っ込んではいけないんでしょうね。

前作では大活躍をしたブラッド少年は今作でも登場し、しかも演じるのが同じスコット・グライムズです。前作では感じなかったんですが、今作のスコットは顔や動き、演技の仕方などがマイケル・J・フォックスにそっくりです。もしかしたら、ファンだったんでしょうか(笑)。
ただ、キャラクター的には、敵の数が増えたせいか、前作ほどの活躍を見せてくれません。大人になったせいなのか、もうポケットに爆竹も入れてないようです。
その代わり、前作ではてんで役に立たなかった保安官のハーブに活躍のシーンがありました(こちらは演じる俳優が変わりましたが)。
そして、前作では登場が遅く、やっぱりあまり役に立たなかったバウンティ・ハンターの2人は、今回は割と早めに登場して、巨大な銃をバンバンぶっ放します。そして、前作のラストでこの二人に付いて行ってしまった、酔っ払いのチャーリーが、今作ではバウンティ・ハンターの一員になって再登場するというのは面白いです。もう酒も飲んでないせいか、顔つきもかなり真面目になってました。

さて、今作で大量に増えたクリッター達ですが、こいつらの“悪ふざけシーン”が、かなり『グレムリン』を意識したものになってましたね。多分、前作も『グレムリン』の二番煎じみたいな感じで企画されたんでしょうが、クリッターの行動自体にはあまりグレムリンと似た点は感じられなかったんですけどね(数も少なかったし)。
ただ、クリッターのオリジナルの技「コロコロ転がって移動」が今回はラストで大パワーアップをし、大量のクリッターが一塊になって、巨大な玉になって転がる、というのを見せてくれます。しかも、これに潰された人は、玉が通り過ぎる頃にはすっかり食べ尽くされて骨になってしまうという、中々強烈な技です。この映画、その昔にテレビ放映を見た事あるんですが、このシーンだけ覚えてました。当時の私にとっては軽いトラウマシーンだったらしい。