監督・脚本:ニール・マーシャル
音楽:デビッド・ジュリアン
出演:シャウナ・マクドナルド(サラ)
ナタリー・メンドーサ(ジュノ)
アレックス・リード(ベス)
サスキア・マルダー(レベッカ)
マイアンナ・バリング(サム)
ノラ=ジェーン・ヌーン(ホリー)
(感想)
「ドキ!おんなだらけの洞窟探検!」といった感じのストーリーですが、残念ながら、おっぱいポロリも内臓ポロリもありません。
ホラー映画のくせにエロもグロも無いんですが、これがまた怖い映画なんですよ。まあ、エロとグロの出るホラーは“怖さ”を追求してない映画が多いんですけどね(笑)。
監督は『ドッグ・ソルジャー』のニール・マーシャルで、前作同様、映像がかなり暗めです。私は、「いくら効果を出す為とはいえ、暗くて見辛い映像よりも、明るくて見易い映像の方が好きだ」というタイプなのですが、この映画に限っては暗くて見辛い映像がいい方向に感じられましたね。
まず、舞台が狭い洞窟なんですが、当然、手持ちのライト以外に光源の無い場所です。ライトが消えたら真っ暗闇というのは中々恐ろしい状況です。
そして、何と言っても狭いんですよ。当然ですが、四方八方が壁やら岩やらで、狭さからくる圧迫感があるんですが、それに加えて“暗闇に囲まれてる”という心理的な圧迫感も加わるんです。これによって、もうモンスターとか出てこなくても充分怖い状況なんですよね。見てるだけで息苦しくなるぐらいです。
で、そんな状態で、ゴラムみたいな怪人が暗闇から襲ってくるんですよ。もうたまりませんな。一体でも厄介なのに、何故か何体も棲んでるんですよね。しかも、「人を生きたまま食う習性有り」というおまけ付き。
動きの速さは人間並ですし、体格もいいとは言えないという事で戦闘力自体はさほどでもないっぽいんですが、狭くて暗い場所で、外見の気持ち悪い奴に襲われると、もうパニックになってしまいますからね。それに、時々、「鋭利な爪攻撃」をかましてくる場合もあったりして、それを食らうと一発で致命的ダメージを受けたりします。
その、謎の怪人の“見せ方”も凝ってるんですよね。ライトの照らした先にチラっと見えてたり、ふっとライトを向けた先にいたりするんです。
また、「何でこんなのが発生してるのか」という説明が一切無いんで、その存在自体が謎なんです。そのおかげで、不気味さというのがかなり感じられましたね。
映像も暗いし、ストーリーも暗い。登場人物は死にまくる。という事で、見終わった後に暗い気持ちになるような映画なんですが、この圧倒的なまでの暗さは、どこか『エイリアン3』の雰囲気を思い出させてくれますね。ここまで暗いと逆に気持ちがいいです。
終盤でヒロインが「ランボー化」する辺りを見た時はどうなる事かと思ったんですが、最終的にはキレイに終わってくれました。こういうラストは大好きですよ。「ホラーを見た!」という気持ちにさせてくれますね。