監督:ジェレミー・カステン
出演:マリサ・ラミレス(アリシア)
トラビス・ウエスター(ジョス)
ニコール・ハリング(エリカ)
ラズ・アロンソ(タイラー)
ラウラ・ハーリング(マルティア)
デビッド・キース(ブランコ保安官)
ダニエル・ブルジオ(エスメラルダ)
ダニー・トレホ(ディアス)
ジェフリー・コムズ(トーマス・ホワイト)
エリー・コーネル(サラ・ホワイト)
それから約50年後。メキシコ旅行をしていたホワイト一家が、たまたまその町に訪れた。ゴーストタウンの様相を呈しているものの、夜中だった為に気がつかず、うっかり寂れたホテルに宿泊してしまう。そして、深夜に徘徊を始めたゾンビ軍団にとっ捕まってしまうのだった。
それから約50年後。大学生のアリシアとジョスのカップルが、メキシコに住むアリシアの家族を訪ねに行く途中、道に迷ってこの町に辿り着いてしまった。
余所見運転をしていたジョスは、町の入り口付近で棺桶を担いでウロついていた町人の一団に突っ込んでしまう。ケガ人は出なかったものの、棺桶の中から、まだ生きてる女が出てきた。
保安官を探し出して女の保護を頼む事となったが、車が壊れた為に近くのホテルに一晩足止めされる事となった。だが、そのホテルはかつてホワイト一家が泊まったホテルなのだった。
(感想)
そのタイトルから、西部劇風のゾンビ映画なのかと思ってたんですが、現代のメキシコを舞台とした単なるバッタ物ゾンビ映画でした。カウボーイがゾンビと対決するみたいな斬新な映画じゃないんですね。
ゾン流ブームに乗って作られた一本と思われるんですが、どうも、見ていて「ゾンビ映画を見てる」という感じがしないんですよね。中盤以降はちゃんと大量のゾンビが現れて、主人公達がホテルに立てこもるという、それっぽい展開にはなるんですけど、それよりも、「曰くのあるホテルに泊まってしまった若者たちを襲う超常現象」系の映画みたいなんです。舞台が日本で、泊まったのが旅館だったら、そのまま稲川の怪談として使えそうな、そんな雰囲気があるんですよね。
なので、ゾンビはゲスト出演で出てるような感じがあるんですが、前半部分でオカルトな雰囲気をしっかり出していた為に、こちらも「これはゾンビ映画ではないんだな」という気持ちの切り替えが出来たんで、あんまりガッカリ感はなかったですね。むしろ、後半にゲスト出演するゾンビ軍団を見て「おお、本当に出てきた!」とか思って大喜び出来たぐらいですよ。
しかも、この手のC級ホラーにしては珍しいぐらい、脇に豪華なキャストが揃えられてるんです。まず、この騒動の発端である悪い領主を演じるのが、ダニー・トレホですよ。まさか、トレホがこんな映画に出て来るとは。メキシコが舞台の映画ならどんな映画でも出て来るのか(笑)。
さらに、50年代のパートで出て来る一家の父親がジェフリー・コムズときたもんだ。生憎、ゾンビと絡むシーンはないんですが、出番が少なかろうが、何の役だろうが、もう、出てきただけでもありがたい。そんな人ですからね(少なくとも、私にとっては)。
さらに、その昔『愛と青春の旅立ち』なんかに出演していたデビッド・キースも出てきました。ただ、最初にオープニングクレジットでこの人の名前を見た時は、『ゼイリブ』でお馴染みのキース・デビッドが出てるのかと思ってしまい、「あ、こっちか」とか思うハメになってしまいました。
映画自体は大した事はないんですが、豪華脇役陣や後半のゾンビのゲスト出演(本来メインディッシュのはずなんですが)、中盤頃に悪者にとっ捕まって剥かれるヒロインなど、それなりに見どころがあって楽しめる一本でした。