監督・編集:ロバート・ロドリゲス
脚本:ケビン・ウィリアムソン
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:イライジャ・ウッド(ケイシー)
ジョシュ・ハートネット(ジーク)
クレア・デュバル(ストークリー)
ジョーダナ・ブリュースター(デライラ)
ローラ・ハリス(メアリー・ベス)
ショーン・ハトシー(スタン)
ロバート・パトリック(ウィリスコーチ)
ファムケ・ヤンセン(バーク先生)
サルマ・ハエック(ハーパー先生)
パイパー・ローリー(オルソン先生)
アッシャー・レイモンド(ゲイブ)
だが、その事実に気付いた6人の生徒達が、寄生怪物に効果のある自家製ドラッグを武器に反撃を開始した!
(感想)
ハイスクールを舞台に、若者達が恐ろしい存在に怖い目に遭わされたりそれに反撃したりするという、よくあるタイプの映画です。
ですが、他の同種の映画と比べると全体的にレベルが高い感じがしますね。何しろ、スタッフ・キャストがこの手の映画の水準以上の豪華さですからね。監督がロバート・ロドリゲス、脚本が当時絶好調だったケビン・ウィリムソン(でも最近見ない)。そして若者達を演じるのが、今ではフロド役でお馴染みのイライジャ・ウッド、“ポスト・ブラピ”と呼ばれてるらしいジョシュ・ハートネット、今でもホラー系映画でよく顔を見るクレア・デュバルと粒揃い。他にもロバート・パトリックにファムケ・ヤンセン、サルマ・ハエックと、まさにオールスターキャストクラスの豪華な布陣です(それは言いすぎか)。
脚本のケビン・ウィリアムソンですが、『スクリーム』で鮮烈デビューを飾った後、『スクリーム2』『ラストサマー』そしてこの『パラサイト』と、当時は「若者向けホラーの脚本と言えばこの人」と言えるほどの大活躍ぶりをしていました。
ですが、『スクリーム』の脚本は色々な意味で見事なものでしたが、その後はどれも似たような内容のものばかりでした。この映画のストーリーを最初に見た時も「『スクリーム』の焼き直しかい」とか思ったものでした。まあ、実際そんな感じの内容ではあるんですが、“新鮮味”は無くても“基本的な面白さ”はしっかり備わった脚本を書いてくれるので、やはりこの人の関わってる映画はどれもストーリーが面白いです。
この人の脚本の何がいいかと言うと、キャラクター設定と人物描写だと思いますね。『13金』シリーズ辺りと比べてみるとよく分かりますが、生き残る若者も殺される若者も、どれも実に個性的なんです。一見、よく見るようなタイプなんですけど、そのよく見るタイプのキャラクターをもっと深く掘り下げたようなキャラクターになってるんですよね。それも、リアリティよりも、映画的に映える方向に掘り下げられてる感じで、見ていて、「自分の高校時代にもこういう人達がいたら面白かったのにな」と思ってしまうほどです。
そして、そんな登場人物達が恐ろしい事件に巻き込まれ、生死を賭けたサバイバルを展開する姿には感情移入して見入ってしまいますね。むしろ、自分も仲間に入って、一緒に逃げ回りたいとか思ってしまいます。
この映画でも、6人の主要キャラクターが出てきますが、誰が主役でもおかしくないぐらい個性的なんですよね。加えて、先にも書いたようなキャスティングが豪華だというのも効いてますね。この手の映画で、数年後に見直してみて、まだ一線級で活躍してる人が出てる映画というのはあんまり無いですからね。
監督は濃いアクションが得意のロバート・ロドリゲスですが、この映画では「ティーン向けホラーを無難に撮った」といった感じでしたね。この映画の面白さを一番支えているのは、ロドリゲスの演出なのかウィリアムソンの脚本によるものなのかと考えると悩む所ですが、どちらかと言うと、脚本の力の方が大きいような気もします。ウィリアムソンにとっては得意分野ですが、ロドリゲスにとっては珍しいジャンルへの挑戦でしたからね。
ですが、ロドリゲス氏、この映画でティーン向けの仕事をしたのがよほど気に入ったのか、後に『スパイキッズ』シリーズというファミリー向け映画に手を出すようになってしまいましたね(笑)。