ファウスト
<FAUST/LOVE OF THE DAMNED>
00年 アメリカ・スペイン合作 108分

監督・共同製作:ブライアン・ユズナ
特殊メイク:スクリーミング・マッド・ジョージ
出演:マーク・フロスト(ジョン・ジャスパース)
   イザベル・ブルック(ジェイド・デ・キャンプ)
   アンドリュー・ディヴォフ(M) 
   ジェフリー・コムズ(ダン・マーゴリース警部補)
   モニカ・ヴァン・キャンペン(クレア)

(あらすじ)
恋人を殺され、橋からの飛び降り自殺をしようとしているジョンに謎の男が現れ、何やらそそのかしてくる。思わず、彼と怪しげな契約を結んでしまったジョンはカギ爪殺人鬼になってしまった!
大使館で大量殺戮をおっ始めたジョンだが、急に我に帰り、駆けつけた警官隊に捕まり、精神病院に送られてしまう。
ジョンの担当医となった精神科医ジェイドの得意の治療法「音楽療法」により、過去の記憶の戻ったジョン。だが、再び現れた謎の男とその部下達に精神病院を連れ出され、墓に生きたまま埋められてしまうのだった。
だが、何故かジョンはダークヒーロー、ファウストとして元気良く墓から復活するのだった。

(感想)
あの『死霊のしたたり』を製作し、『バタリアン・リターンズ』『ソサエティー』などを監督したブライアン・ユズナがコミックヒーロー物の映画を手がけた!
というのがウリの映画です。それが有り難いんだか有り難くないんだかはよく分かりませんが(笑)。

この映画の主役である、ダークヒーロー・ファウストの造形がまたイカしていて、バットマンとスポーンに、X−MENのウルヴァリンを混ぜただけという姿です。
まあ、それはいいとしてですね。普通、いくらダークヒーローとはいえ、ヒーローなんですから、多少は正義の為に戦っても良さそうなものです。それが、このファウストは善良な警察官の腕をぶった切ったりするんですよ。やはり、“ヒーロー”に“ダーク”をプラスするのなら、これぐらい思い切った事をやるべきなのでしょう。多分。
そしてこの映画、「人の腕が切り落とされる」といったグロシーンにプラスして、エロシーンも満載というお得な一品に仕上がってます。エロ+グロ+ヒーローですよ。ちなみに、監督が数ある脚本の中から、この映画を撮るのを選んだ理由が「一般に受けそうだから」だそうです。まさに大正解!

最後には怪しげな儀式の末、巨大な怪物「ホムンクルス」が復活し、額からビームを飛ばすなどし、見てるものを楽しませてくれます。いやぁ、いいですねぇ。最後のボスが額からビームを出して攻撃してくるなんて、夢があって実にいいです。やっぱり、ボスキャラは最低限ビームぐらいは出すべきです。
とにかく、今の時代にまだこんな映画を作ってくれたブライアン・ユズナに敬礼をしたくなる、そんな映画でした。
ちなみに、『死霊のしたたり』でお馴染みの怪優ジェフリー・コムズがなんと正義感溢れる熱血刑事役で登場します。なんと珍しい!あのコムズが正義の熱血刑事ですよ。
と思ったら、中盤頃にあっさり悪魔の手先になってしまいました(笑)。まあ、むしろ「こうでなくては!」と思うような展開ですけどね。