監督・原案・脚本:テリー・M・ウスト
製作:カール・モラノー
出演:セルジオ・ジョーンズ(ジョン・ストーカー)
ジャン・スカーレット(エリン・クーパー)
クラーク・ペーズリーJr.(テッド・スタージェン)
ジム・クーパー(ジャック・ケッチャム)
ビクター・フライ(ジョセフ・モンクス)
アーロン・クライトン(ダグラス・クレッグ)
マイク・シンターニクラス(マーティン・シェリー)
カロリーナ・ホールマン(ポリーン)
ルビー・ラロッカ(カサンドラ)
バーバラ・ジョイス(イレーン)
アルド・サンブラー(アルフレッド・フィッシャー)
キャロライン・マンロー(ジプシーの占い師)
(感想)
ホラー映画には2つのタイプがあります。一つは、“恐怖”というものを真摯に描いた、作家性の強い映画。そしてもう一つは、グロとエロという見た目の刺激をただ垂れ流すだけの、サービス精神旺盛な映画。
そして、この『フレッシュ・フォー・ザ・ビースト』は、まじりっけ無しの後者に属する映画です。内蔵から腸までモリモリ出てくるグロの大盤振る舞いに、出演する女優陣はほぼ全員ヌードを披露する脱ぎっぷりの良さ。まさに、グロとエロだけで構成されてると言っても過言ではない、ある意味非常に潔い映画です。
一応、幽霊屋敷物の体裁をとった映画で、序盤はオカルト調査チームのメンバーが暗い屋敷内部を「なぜかそれぞれ単独で」調査をしていく様が描かれます。
登場する幽霊達は美女の外見をしていて、メンバーの前に肌も露な格好で登場していきます。そして、誰もいないはずの館に美女がいるというのに、メンバーはあっさりと誘惑されていきます。当初は多少の警戒をしていても、相手が服を脱ぐと、何の疑いも見せずに隙を作りまくるんです。これは、男の悲しい性といったところなんでしょうかね。でも、こんな時にこんな所で誘惑されてるというのは「男だから」いうより「アホだから」と言った方が正しいような気がします。
ポルノ映画ではないので派手なカラミのシーンは無いですが、ソフトなカラミシーンを経た後、突如、女優の顔が悪魔系の変な特殊メイクの顔になって、哀れな犠牲者の内蔵を掴みだし始めます。エロの後、間発入れずにグロの登場ですよ。この、見てる人の期待通りの展開には拍手喝采する事必至です。
しかも、犠牲者の中には、何と「口から内蔵をグログロと吐き出す奴」がいます。そう、あの『地獄の門』で有名な奥義「内蔵ゲロ」がこの映画でも出てくるんです!いやぁ、頑張りましたね。まさかあんなのが模倣されるとは思ってもみませんでした(笑)。
悪趣味度はさらに暴走し、ついには「全裸美女達による、血まみれ腸ダンスシーン」が登場します。床に魔法陣みたいなのが血で書かれた部屋で、3人ほどの全裸の女性が真ん中に据えてある上半身だけの死体を弄び、自分の体に腸を巻き付けたりするという、エログロホラーファンのみならず、変態も大満足な名シーンです。
この映画のビデオ&DVDのパッケージには、グチャグチャした気持ちの悪い死体の映像と、ヌードを披露している女優の映像の写真が使われています。
このように、この映画にエロとグロがある事が、パッケージですでに示されているのです。“ウソパッケージ”の横行するC級以下のホラー映画群の中にあって、きちんと正しい内容を明記しているとはなんて良心的なんでしょう。パッケージを見てこの映画を見てみようと思った人の中で、「期待ハズレだった!」なんて思う人はまずいないんじゃないですかね。
さらに、私は最初にこの映画のタイトルを見た時、「ゾンビ映画なのかな?」と思いました。何か、ゾンビ映画っぽいタイトルですよね。ですが、ストーリーを読んでみると、どうも幽霊屋敷物の映画らしい。でもエロとグロが出るから見てみよう、と思って借りたわけですが、何と、ゾンビも出てるじゃありませんか!まあ、ゲスト出演程度の出番ではありましたが、タイトルに「ゾンビ」という単語を使っていながら、ゾンビがちょっとしか出ないような映画よりも、出ないと思わせておいて実は出てる映画の方がかなり好印象です。
そんなわけで、私こと変態豚は「こんな映画を喜んで見てるなんて、異常なんじゃないんだろうか」という自問自答を全くせずに、この映画を全面的に支持したいと思います。まいったか!